東南アジアの南部、約17,000以上の島々からなる世界最大の島国、インドネシア。南北は1,800km、東西は5,000km以上もあり、全ての国土面積を合わせると日本の約5倍。大部分が赤道周辺にあり、気候は年中温暖。雨が多く、市場に行けばいつだって色とりどりの果物が並んでいる。
多民族国家のため、地域や民族ごとに、衣装や言語など、異なる文化が存在する。それは料理においても同じこと。お米料理のナシゴレンや、麺料理のミーゴレンなど、日本でもお馴染みの代表的なインドネシア料理のほかに、さまざまな特色ある郷土料理に出合うことができる。
そして、何よりインドネシアの人々はお米が大好き。それはそれはよく食べる。日本人にとってお米が無くてはならないのと同じように、インドネシアでも大切な主食というわけだ。
大勢で取り分けて食べるお祝いの料理
ナシ・クニンの材料になるターメリックやココナッツミルク
ナシ・トゥンペンは、お祝い事に欠かせない、お米を使った大皿料理のこと。ジャワ島を起源とし、1,000年以上も受け継がれるという伝統の料理だ。
目を引くのは、円すい形に高く盛り付けられた黄色いご飯、ナシ・クニン。お米をターメリックとココナッツミルクで炊いている。その周りに、ミーゴレンやお肉など、いろいろな種類のおかずと、飾り切りにした野菜を並べる。ご飯を高く盛り付けるのは、インドネシアで神聖とされる山を模すことで、神への感謝を表すという意味があるそうだ。おかずに使われる食材にも意味があって、平和、長生き、繁栄など、さまざまな願いが込められているという。
独立記念日、結婚式、家族のお祝いなど、晴れの日にふさわしい華やかで意味深いごちそうご飯。みんなで囲んで取り分けて、喜びを分かち合いながらいただく。親しい人たちの笑顔に囲まれて、それはなんて贅沢なひとときだろう!
旅のきっかけになる、2つのコラムを隔月で連載中!