ドイツ
ケルン
クリスマスマーケット
ドイツ発祥といわれるクリスマスマーケットは、中世から受け継がれる伝統的なイベント。クリスマス前の4週間をアドヴェント(待降節)といい、ドイツではこの時期、大都市だけでも2,500以上のマーケットが開催されるという。西部最大の都市・ケルンも例外でなく、市内のあちこちで大小のマーケットが開かれる。それはさながら街全体でクリスマスの訪れを祝うかのようだ。なかでも、世界最大のゴシック建築として世界遺産に登録されるケルン大聖堂の広場では、赤で統一されたヒュッテ(屋台)が150以上も立ち並び、訪れる人をにぎやかに華やかに迎えてくれる。
色とりどりのクリスマスオーナメント、手作りの雑貨やおもちゃ、可愛らしい焼き菓子。荘厳な大聖堂を背景にヒュッテの赤い屋根が連なる光景は、絵本の世界に入り込んだように美しく心踊らせずにはいられない。
陽が落ちると赤の装飾にイルミネーションが灯り、長く寒い冬のドイツの夜を幻想的な輝きで照らす。人々はルビー色に透き通るグリューワイン(ホットワイン)で体を温めながら、クリスマスを待ち望む幸福な4週間を過ごすのだ。
さあ、親愛の赤を求めて。
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