ニュージーランド
ロトルア マオリの彫刻
ニュージーランドの先住民族は、ポリネシア諸島にルーツを持つとされるマオリの人々だ。今から千年以上昔、人々はカヌーに乗って太平洋を進み、世界で初めてアオテアロア(ニュージーランド)の大地を踏みしめたという。独自の文化は舞踊や芸術様式に色濃く表現され、現代まで大切に受け継がれてきた。精緻な木工彫刻、ファカイロもそのひとつ。植物や生物、自然をモチーフにした造形のひとつひとつに「新しい生命」「世界の調和」「魔よけ」などの意味が込められ、文字を持たないマオリの思想や風習を伝える貴重な記録ともなっている。
伝統技術によって生み出される作品は、部族が行事を行うマラエ(集会所)の建築物や、カヌー、武器、装身具など、マオリの生活に欠かせないあらゆるものを飾る。なかでも、マラエの重要な建物を装飾する真っ赤なファカイロは鮮烈な印象を残すだろう。空の青を背景に、より際立つ赤。重なり合う曲線がみっしり刻まれたそれは、マオリの雄弁な物語そのものだ。語り継ぐべき物語が、歴史が、魂が、くっきりと鮮やかに悠然と立ち、見る者の心に焼き付く。
さあ、悠久の赤を求めて。
キャプション
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