この日に仕入れた食材のなかの、伊勢海老、タラバガニ、ズワイガニ、あわびだけでも、これだけのボリューム。一日でこれをすべて使い切る
京都の料理屋を思わせる風情ある入口から中に入ると、すぐカウンターと座敷がある。カウンターの向こうに活きのいい料理人たち、その中央に立つのが店主・玉田氏だ。約1万人といわれる京都の和食の職人のうち僅か200人ほどしか存在しない料理長に一気に昇り詰め、料亭で食通たちを唸らせた腕をもって、2006年新地に「月波」を構えた。
予算に合わせて「喰い切り料理」と銘打ったコースを出すスタイル。ダシを澄ます、乾物をもどす、素材を生かす、京料理の伝統を押さえながら、ゲストの声を聴き、顔を見、心を読みとって、ひとりひとりに合わせた料理をふるまう。そして真骨頂はやはり豪勢な食材。大間のまぐろ、あわび、伊勢海老、カニ・・・、毎日、特大の冷蔵庫いっぱいに仕入れる選りすぐりの品が次々に料理に盛込まれ、目の前に運ばれる。
JRの北新地駅からすぐ。こちらはゆったりとした上質な雰囲気で、大切なもてなしの席に利用できる。勘定は安くはない、ただし料理の味と素材のよさ、しかも新地にあって、「月波」のコストパフォーマンスが圧巻であることは増え続ける常連の数が証明している。
豪快に食材を捌き、料理をする様子が楽しめるのは、「月波」のカウンター席と掘ごたつの座敷に陣取ったものの「特権」
「食材の力が8割、料理が2割」、最高の食材をどうやって味わってもらうか。そこに研鑽を積んだ料理人の技が冴える
秋の八寸の一例。天然の車エビ、手毬鮨、甘手がれい、千者塔、エビイモ、丘ひじき、小カブラ、小ナスほか、一皿に10数種類。それぞれに丁寧な仕事が施されている
ゆずを器に見立てた白子の茶碗蒸し。白子とともにゆずの香り、ギンナンの妙味がたまらない
カニの炭火焼。メスのカニは卵を取るためだけに仕入れ、カニみその上に。身をほぐしてみそに絡めていただくと実にうまい
INFORMATION | |
店名 | 下桂茶屋 月波 永楽本店 |
電話番号 | 06-4797-7776 |
住所 | 大阪府大阪市北区曽根崎新地1-7-6 新日本新地ビル東館1F |
営業時間 | 18:00〜22:30 |
定休日 | 日曜日 |
交通 | JR東西線北新地駅11-43番出口より徒歩2分 |
席数 | カウンター16席 テーブル12席 座敷16席/個室5室 |
予算 | (夜)10,000円 |
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京都の趣を醸し出す永楽本店の外観
広々としたカウンター席
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