鹿児島県薩摩半島の南端にある指宿市。薩摩藩主が湯治に通ったという「殿様湯」の遺構が現存する指宿温泉は、湯量豊富な古湯として名高い。温暖な気候とのびやかな自然、そして名水にも恵まれた人気の観光地だ。

魚見岳の麓、穏やかな錦江湾に面する広大な敷地に、4つの宿泊棟を有する「指宿 白水館」。全室がスイートタイプの「離宮」は、80平方メートルを超える広々とした客室の窓から、美しい庭と海を望む。随所に花の意匠が施されたインテリアが、上質な寛ぎを生み出す。

大浴場の一つ「元禄風呂」は、江戸時代の風呂の歴史を再現し、すべての浴槽が源泉かけ流し。敷地内に湧き出す湯量の豊かさがあってこその贅沢さだ。館内には、砂むし温泉や岩盤浴処も備えている。

旬の食材にこだわり、細やかな手が加えられた会席料理の評判も高い。新鮮な刺し身の歯ごたえに驚かされ、鰹出汁がきいた、ほのかな甘みを感じる上品な味付けに感嘆する。品数豊富なフルコースは食べ飽きることがない。

個室食事処に赤い衣装が置かれていた。「ご家族の記念日を祝う際に利用される方も多いです」と予約担当者。衣装は宿からの心遣いとのこと。全館に温かなもてなしが溢れている。