JAPAN AIRLINES



航空豆知識


文 日本航空 一等航空整備士
第41回
[Q] [滑走路に書かれた数字は何?]
[A]  普段、道案内をするとき、「北はこの方角。ここから東に行って、一つ目の角を曲がって南」といったように案内します。飛行機も空を飛行するときは、地上管制官に無線で案内されながら飛行するのですが、同じように「北に行って、それから北北東に行ってください」などと言っているわけではありません。こうした方角の分け方では、8もしくは16くらいの方向しか指示することができませんし、無線でのやりとりが非常に煩雑になります。

 そこで飛行機では、真北を360として時計回りに方角を数字で表しています。たとえば東は090、南は180、西は270といった具合です。北東は045となり、この方法を使えば、すべての方向を三つの数字で指示できるわけです。こうした表示方法は、船舶などでも使われています。

 さて、皆さんは滑走路の末端に、2桁の数字が書かれているのをご存知ですか? 屋外カメラが搭載されていて、空港に近づいていく映像がモニターで見られる場合、よく見ているとこの2桁の数字を確認することができます。この数字は先ほど説明した方角の表示方法を使い、滑走路がどっちの方角に向かっているかを示しているのです。たとえば滑走路が真北に延びていれば360の上2桁をとって「36」と書いてあり、その反対側には「18」と書いてあります。

 近年、世界中で海や海岸を埋め立てて空港を作る計画が進んでいますが、空港建設には大規模な土地が必要となります。大型ジェット機が離着陸する滑走路となれば、最低でも幅50メートル、長さ2500メートル以上の大きさが必要ですし、たくさんのお客様がスムーズに出発・到着できる空港としての設備も必要です。つまり、滑走路を作る土地は細長い形をしていなければならないのです。

 しかし、細長い土地が準備できたからといって、そこに空港が作れるわけではありません。実は、空港周辺に一番よく吹く風向きが大切なのです。えっ! と思われる方も多いかもしれません。飛行機は翼に風を流すことによって、飛び上がる力(揚力)を発生させて飛行しますので、飛行機に向かって真正面から風が吹いているととても都合がいいのです。そこで空港を作るときには、過去数年間のデータをとり、その地域で一番よく吹く風向と同じ方向に滑走路を作ります。とは言うものの、いつも風が同じ方向から吹くとは限りませんので、大きな空港になると横風の場合に備えた滑走路も作られています。

 東京国際空港(羽田空港)には3本の滑走路がありますが、それぞれの端には34L、34R、16L、16R、22、04と数字が書かれています。さて皆さん、どんな滑走路の配置になっているか分かりますか?

(注)羽田空港には、通常使用するA滑走路とC滑走路、横風対策用のB滑走路と、3本の滑走路があります。滑走路のそれぞれの端は、飛行機から見てどの方向を向いているものなのかが、数字によって示されています。例えば、B滑走路に東側から着陸する場合、南西(22)の方向に向けて滑走路に進入するため、進入口には「22」と書かれているのです。また、数字の後にくる「R」は右(RIGHT)、「L」は左(LEFT)を表しています。羽田空港ではA滑走路とC滑走路が並行しているため、数字に「R」または「L」をつけて区別します。

 
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Illustration by Chikara Kunitomo


日本航空月刊誌『Agora』1998〜2003年掲載