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A WORLD OF BEAUTY

May 2013 ブルック・コテージ・ガーデン、オックスフォードシャー、イギリス 1964年に建築家と園芸家の夫妻によって作られたプライベートガーデン。コッツウォルズ地方特有の愛らしい石造りの家が建つ広大な敷地には、季節の花が咲き誇る。アクセス成田、羽田からJAL便またはコードシェア便でロンドンへ。コッツウォルズへは車で約2時間。

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Brook Cottage Garden, Oxfordshire, U.K. コッツウォルズ、イギリスが誇る美しい庭へ。「ハート・オブ・イングランド」と呼ばれる場所があるのを知っていますか?ロンドンから車で約2時間の場所にあるコッツウォルズ地方は、イギリスの人々が愛してやまない美しい丘陵地帯。世界的にも有名な「ガーデニングの聖地」です。5月、イギリスが花の季節を迎えると、コッツウォルズには世界中から「庭めぐり」を楽しむ人が訪れます。世界でいちばん美しいといわれる花園は、心温かい人々によって作られた素朴で愛らしい場所でした。
イギリスの「ガーデニングの聖地」・コッツウォルズ。はじめてイギリスを訪れたのは19歳のころだったと思う。人生初の海外ひとり旅で、5月のロンドンを早足で歩き回った。出発前に聞いたうわさ通り、ロンドンは毎日薄曇りで、ときどき霧のような繊細な雨が降った。霧雨の街。それが今日の今日まで、私にとってのイギリスのイメージだった。でも、それはずいぶん凝り固まったイメージだったのだと、5月のコッツウォルズを訪れて知った。コッツウォルズはイングランドの南西部、標高300mほどの場所にある丘陵地帯。この地方をイギリスの人々は愛着と誇りをもって「ハート・オブ・イングランド」と呼ぶ。それはけっして地理的な理由からだけではない。のどかな田園地帯が広がるコッツウォルズは世界でも有数の美しい「庭園」が点在する地域。イギリス中の園芸家が集まる「ガーデニングの聖地」なのだ。そしてそこは、恨めしい「霧雨」とは無縁の、明るく開放的な、光あふれる場所だった。
豊かな庭園にあこがれたイギリス人の想い。イギリス人の「庭好き」はガーデニングにそこまでくわしくない人でもなんとなく知っているだろう。たとえロンドンの小さなフラットのベランダであっても、さりげなく花が飾られている。でもじつは、元来イギリスの国土はそこまで花に恵まれてはいなかったという。痩せた土地が多いイギリスは花の生育に適しているとはいえず、日本に比べると固有の植物は極端に少ないそうだ。そんなイギリスが世界に誇る「花の国」になったのは、プラントハンターと呼ばれる植物収集家たちの功績が大きいという。彼らが世界中から植物の種子を持ち帰り、それらを風土に合うよう品種改良してイギリスに根付かせてきたのだ。花に恵まれなかったイギリスの人々は長い時間をかけて手で花を植え、育ててきた。高いガーデニングの技術と豊かな庭園文化がイギリスに根付いているのは、「花のあふれる国」を夢見た人々の強い想いがあったからなのだ。
世界一の花園で、自由きままな「庭めぐり」。コッツウォルズを訪れる人のほとんどは、「イエローブック」という本を小脇に抱えている。イエローブックとは、英国全土から選び抜かれたプライベートガーデンの場所やオープンデーが記載されたもの。いわば、庭めぐりをする人たちの公式ガイドブックだ。日本人の感覚だと驚くかもしれないが、コッツウォルズでは個人の家の庭が一般公開されている。庭めぐりをする人々は気になる庭の家を一軒一軒回り、中を見せてもらうのだ。イエローブックを手にぶらぶらしていると、可憐なオールドローズが顔を覗かせている庭を見つけた。庭の前でもじもじしていると、主人らしき初老の男性が「どうぞ」と招き入れてくれた。ふわりと香る甘い花。濃い緑の匂い。大きく深呼吸したくなるような、植物たちの命の匂いがした。「よかったら案内しましょう」。ひとつひとつ丁寧に花の名を教えてくれた庭の主。その口調は、大切な家族を紹介するときのそれと似た、慈しみに満ちたものだった。
人と花をつなぐ、コテージ・ガーデン。ブルック・コテージ・ガーデンは建築家と園芸家の夫妻が1964年から30年以上もの歳月をかけて作り上げた庭だ。およそ4エーカーの庭には季節ごとの花が咲くボーダーガーデンや愛らしい池のあるウォーターガーデン、6月ごろには100種類を超えるバラが咲き誇るシュラブガーデンなど趣の異なる庭が配されている。そのどれもが素朴でひときわ温かく感じられたのは、それが人の暮らしのすぐ傍で、その家の主人の手で世話されたものだからだろう。コテージガーデン(田舎家風庭園)の魅力は植物から人の手のぬくもりを感じられることだ。足元の茂みのなかから、ふさふさしたしっぽの猫が現れた。この家の一員なのだろうか。ギガンチウムの香りを確認して、また茂みの中へ隠れてしまった。「お茶が入りましたよ」。ガーデンの奥から呼ぶ声がする。うつくしい緑と花があふれる庭で過ごす昼下がり。なんて心地いい時間なのだろう。緑に囲まれた暮らしの豊かさを、コッツウォルズの人々はよく知っているのだ。
緑と花に囲まれた休日。急がない旅の楽しみ。コッツウォルズで週末を過ごし、列車に乗ってロンドンへ戻った。コッツウォルズでは空があんなに高くて、抜けるように青かったのに、ロンドンはやっぱり薄曇りで、霧雨が降っている。庭のガイドブックを街のガイドブックに持ち替えて、人であふれる市街を歩く。東京と同じく、平日のロンドンは誰もが前だけを見据えて急ぎ足で歩いている。ふと道路脇にあるフラットのベランダに目が留まった。小さいスペースにところ狭しと鉢植えが並んでいる。色とりどりの春の花。「すみませーん。ちょっとお宅のお花を見せてくださーい」。そんな風にノックできたら、どんなにすてきだろうと思う。19歳のころ、ガイドブックを手に急ぎ足で名所めぐりをしたロンドンの街。今はどんな名所よりも、見ず知らずの人のベランダの花が美しく見える。コッツウォルズの庭園で過ごした豊かな時間が、「急がない旅」の楽しみを教えてくれたのかもしれない。
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