皆さんこんにちは。
中孝介です。
これまで「旅したい。」では、お気に入りの場所を紹介してきましたが、今回は‘唄者
(うたしゃ)’を中心にご紹介します。唄者とは、奄美大島のシマ唄を唄う人のことを
言います。そして、唄うことはもちろん、唄の背景をよく知り、唄の世界観を聴く人に
訴えかけられる唄い手のことを唄者と言います。
その唄者の一人、坪山豊さん。
普段は船大工で、奄美大島のお祭りには欠かせない船漕ぎ競争の時に使う船を作り、シマ唄も
唄うという唄者です。坪山さんと出会ったのは、僕が17才の時。当時高校2年生だった僕は、
シマ唄を唄いたいと心に決め、一体何から始めればいいのかわからず、坪山さんのお宅を
訪ねた時のことでした。初めてお会いした時から気さくに話してくれ、自分の三味線を
僕に渡し、手ほどきをしてくれました。唄を唄う人と対等に向き合い、シマ唄の技術を
磨くというよりも、シマ唄が好きだという心を育ててくれる。シマ唄の根っこと幹は忘れずに、
枝葉を自分なりにアレンジして新しいことにも挑戦していくことが大切だと教えてくれます。
そんな坪山さんの声は、80歳を越えた今でも力強く、切なく、哀愁漂う声で叙情的に唄い上げ、
聴く人の心の琴線を揺さぶります。
6月10日には、東京渋谷のc.c.lemonホールにて、坪山さんをはじめ、元ちとせさんと僕の3人
で『AMAMI CHRONICLE LIVE』を行います。 坪山さんとステージでお供させていただくのは
本当に久しぶり。こうして3人が集まってのライブも初めてのことです。東京にいながら、
奄美に旅をしたような気持ちになれる。そんなライブをお届け出来ればと思っています。

唄者、坪山豊さんと
船大工の坪山さん。
僕も何度かお邪魔していますが、その顔は唄者坪山豊とは違います。
この状態から少しずつ丁寧に手作業で船を完成させていきます。
出来あがった船は、毎年夏にある奄美で一番大きなお祭、『奄美祭』で活躍します。
参加者は力強く船を漕ぎあげ、頂点を目指します。船は8人乗りで、6人が前方、中央、
後方の左右2人ずつに座って漕ぎ、後方の先端には舵取りが一人、そして前方の先端には
笛を吹いて音頭を取る人が一人乗ります。僕も学生時代は部活でチームを作って
出ていましたが、やっぱりベテランの方々にはどうあがいても敵わないものです…。

船大工、坪山豊さんの表情

この状態から少しずつ丁寧に手作業で
船を完成させていきます。
『奄美祭』は毎年、8月の第1日曜日を最終日に設定し、島唄大会・船漕ぎ競争・花火・パレード・8月踊りを行う島内最大の
夏のイベントです。ぜひこの時期の奄美に来た際には『奄美祭』を楽しんでみてください。

『奄美祭』の船こぎ競争













