| (1) | 無指向性無線標識(NDB:non-directional radio beacon,自動方向探知機 ADF:automatic direction finder)
無指向性無線標識(NDB)から発信されている特定の周波数の電波を,機上のADFで受信することにより,電波の到来方向,つまりNDBの方位を知ることができる。ADFの指針をその局に対して一定に保っていけば,その局に到達(ホーミング)することができることから,NDBをホーマービーコン(homer beacon)ともいう。また二つの発信局の方位が分かれば現在位置も分かる。NDBの発信する電波は国際的に決められており,1,020Hzの連続音とその局の符号とを組み合わせたものとなっている。
機上に設けられたADFは,電波の到来方向を示し,パイロットに機首方位を自動的に知らせる。これには電波の到来方向が最小受信点になるという,ループ・アンテナの特性が利用されている。 |
| (2) | 超短波全方向式無線標識(VOR:VHF omni−directional radio range beacon)
超短波全方向式無線標識(VOR)から発信される磁北を指す電波と,磁北から時計方向に回転する指向性のある電波の二つを受信して,磁北を示す電波を受けた瞬間から指向性の電波を発信する瞬間までの時間差を測定して,発信局の位置を知ることができる。実際の航空機上では,RMI(radio magnetic indicator)またはHSI(horizontal situation indicator)に,ビーコン局の方位とその局に近づくか遠ざかるか,あるいはコースのずれを総合的に示すようになっている。 |
| (3) | 距離測定装置(DME:distance measuring equipment)
地上側のトランスポンダ(transponder)と航空機側のインタロゲータ(interrogator)とが一対で作動して,相互の距離を知る測定装置(distance measuring equipment)。航空機から特定の地上局に定められたパルスの質問信号電波(インタロゲータ)を発射すると,地上局は受信と同時に異なった周波数のパルスの応答信号電波(トランスポンダ)を送り返す。機上ではこの二つの電波の時間差を測定して距離を求める。通常はVORと併設され,方位と距離を求められるようになっている。 |
| (4) | タカン(TACAN:tactical air navigation)
もともと航空母艦への帰投のために開発されたもので,原理的にはVOR/DMEなどと同じく距離と方位が測定できる戦術航法方式(tactical air navigation)。 |
| (5) | ロラン(LORAN:long−range navigation)
2定点からの距離の差が一定な点の軌跡は,その2定点を焦点とする双曲線になるという原理を利用して,現在位置を検出するための長距離航行用援助施設である。200〜400nm離れた2カ所のロラン局からのパルス電波を受信し,その到達時間差を測定すると,その時間差が一定となる点は2カ所を焦点とする双曲線上のどこかにあるので,同様の他の組の局からもう一つの双曲線を求めれば,その交点が飛行機の現在位置となる。実際にはロランチャートを使用して飛行機の位置を求める。ロラン局には従来から使用されている1700〜2000kHzのロランA局と,測定精度の向上,および有効到達距離を拡大するために改良された90〜110kHzのロランC局がある。すでにロランに代わるものとしてオメガ航法が開発された。
図2-3-1 等時間差曲線(双曲線)ロラン航法 |