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着陸装置 landing gear,undercarriage
(1) 脚配置 landing gear arrangement
(2) 緩衝支柱 shock strut
(3) タイヤ tire
(4) 車輪ブレーキ wheel brake
●ホイール・トラック,車輪左右間隔 wheel track
●ホイール・ベース,車輪前後間隔 wheelbase

 着陸装置(landing gear,undercarriage)は「脚」と呼ばれることが多く,緩衝支柱(shock strut),車輪とタイヤ(wheel and tire)および車輪ブレーキ(wheel brake)から構成される。脚の機能としては,(1)機体の地上移動を容易にし離着陸時の地上滑走をする,(2)着陸時に垂直方向の運動エネルギーを緩衝支柱とタイヤにより吸収し,機体に加わる衝撃を緩和する,(3)地上滑走時の制動をすることである。

(1)脚配置(landing gear arrangement)
 脚に加わる荷重によって滑走路面に生ずる曲げ応力が,舗装面の最大許容応力以下となるように単車輪荷重を決め,脚荷重をなるべく多くの車輪で分担するようにする。機体重量の約90%を支持し,着陸時の運動エネルギーの大部分を吸収する主脚(main landing gear)と,残りの重量を負担し地上における機体の安定を保持して地上滑走中の操向を受け持つ前脚(nose landing gear)があり,輸送機の多くは主脚2個と前脚1個の三輪式であるが,主脚が4個(747)や3個(DC-10-30,40)の例やB-52爆撃機のような自転車式の配置もある。脚の車輪の取り付けは,主脚が大型機の4車輪あるいは6車輪ボギー式,または中・小型機の2車輪ダブル式,前脚が2車輪ダブル式とするものが多い。また,最近の航空機の脚配置は,一部の小型機に尾輪式があるほか,多くが前輪式となっている。
図1-3-19 脚の配置
(2)緩衝支柱(shock strut)
 緩衝支柱の長さは,離着陸時の機首上げ姿勢における尾部の地面間隔,プロペラやエンジン・ナセルなどの地面間隔および空港施設との関係などを考慮して決められる。緩衝装置としてはオレオ式が広く用いられ,着陸の衝撃が加わるとピストン上部の作動油がオリフィス(小穴)を通じてシリンダーへ流れ,そのときに生ずる動圧抵抗とシリンダー上部の窒素ガスの圧縮抵抗により緩衝を行う。また,地上走行中の緩衝は主として上記の窒素ガスの圧縮により行われる。なお,ピストン側のピンは先細となっており,ピストンが縮んでいるときはオリフィスが狭くなり,作動油の流れが制限されるのでピストンがゆっくりと伸びて緩衝する。
図1-3-20 オレオ式緩衝装置
(3)タイヤ(tire)
 機体重量を極力軽くするため装着されるタイヤのサイズと重量もできるだけ小さく設計されるので,タイヤの受け持つ単車輪荷重はサイズに比して非常に大きく(DC-10で27t),そのためタイヤの充填圧力(安全性の面から窒素ガスを使用)も高い(機種により異なるが10〜16kg/cm2)ことが特徴である。さらに,高速滑走中に内部摩擦により発生する熱,および制動時に滑走路との摩擦により発生する熱によりタイヤは高温(約100℃)になり,寒冷地での運用や高空では低温にさらされる。一方,着陸時の緩衝のため,静荷重状態でタイヤのたわみが30%前後として使用されるので,タイヤの側面に厳しい曲げがかかる。このような過酷な条件で強靭性を持ち発生熱量が少ないこと,および前記の広い温度範囲で物性が低下しないことを満足させるため,航空機タイヤには天然ゴムが使用される。
 上記の要件のほか,日本航空で使用する国産タイヤにはダブルロード・テストが課せられ,もし滑走中に1個のタイヤがパンクして同軸の他のタイヤに2倍の荷重がかかった場合でも,最低1回の離着陸が保証されており,安全性に寄与している。なお,航空機タイヤはこれまでチューブレスのバイアス・タイヤが広く用いられていたが,ラジアル・タイヤも開発されており,この場合はバイアス・タイヤの1.5倍の負荷に耐えるとともに,777の例では520lb(235kg)の重量軽減が可能となった。
図1-3-21 ラジアル・タイヤ(左)とバイアス・タイヤの構造対比
表1-3-1 航空機用タイヤと自動車タイヤとの使用条件比較
(4)車輪ブレーキ(wheel brake)
 着陸装置に解説したが,最近の動向としてカーボン・ブレーキの導入があげられる。ローターとステーターのいずれもカーボン繊維複合材で作られ,767の例では904lb(410kg)の重量軽減が可能となった。カーボン・ブレーキでは,制動中にエネルギー・レベルと無関係にスムーズで一定のブレーキ・トルクが得られ,熱吸収能力が大きく,ディスクの摩耗によりブレーキ効率が変化しないなどの特徴がある。
ホイール・トラック,車輪左右間隔(wheel track)
 左右の脚柱の間隔。複車輪の主脚をもつ機体については,各主脚の相互の中間点,または各主脚の中心線間の距離をいう。トレッド(tread,輪距)ともいう。
ホイール・ベース,車輪前後間隔(wheelbase)
 機軸と平行方向に測定した前脚中心線と主脚中心線との距離。747のように左右各2本の主脚をもっている機種では,片側各主脚の中間点と前脚中心線との距離をいう。

 
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