
雪の降る冬の京都は、いつにも増して凛とした空気が立ちこめる。京都の中心部、烏丸御池からほど近いこちらの宿「柊家」にも、静かな時が流れている。
創業は文政年間(1818年)。古都の面影が色濃く残る麩屋町のなかでもひと際目を引く数寄屋造りが目印だ。今回紹介する木造2階建ての本館は、その内装の豪華さでも名高いが、華美とは無縁の、侘び寂びを感じさせるしっとりとした空間が広がっている。玄関や客室に飾られている花も、この宿に流れた歴史や伝統に溶け込む色合いで生けられている。
料理は、伝統の京料理にひと手間加えた逸品が並ぶ。特にこの時期にお勧めなのが、朝食にいただく湯豆腐だ。部屋に運ばれたとたんに湯気が立ちこめ、しんと静まり返った京の朝を、じんわりと温めてくれる。口の中でとろけてしまう柔らかな味の秘密を聞いてみると「特別なお豆腐を使っているわけではありません。京の町の冬の味です」と微笑む。
宿名にもなっている「柊」の花の季語は冬。どこよりも静かで清らかな日本の冬を楽しみに、ぜひお出かけいただきたい。

Tel:075-221-1136
京都市中京区麩屋町姉小路上ル中白山町277
- 料金:
- 36,750円〜(1泊2食付き 2名利用の1名分 税・サ込)
※客室により料金が異なるため 詳細は要問い合わせ。
伊丹空港からリムジンバスで京都駅まで60分。
京都駅からタクシーで15分または、地下鉄烏丸御池駅下車徒歩10分。
(上)川端康成も定宿としていたという
(左)四季折々の吟味しつくされた食材が丁寧に料理され、清水焼などの美しい器にもられて登場する。写真は朝食の一部。
(下)家具や調度品にさりげなく描かれた柊の文様
塵ひとつなく磨き上げられた数寄屋造りの客室
Photo by Tomoaki Okamura


