JAPAN AIRLINES



航空豆知識


文 日本航空 一等航空整備士
第50回
[Q] [パイロットを支える自動操縦!?]
[A]  「自動操縦」と聞くと皆さん、どんな想像をなさいますか?
 まるで飛行機が意思をもっているかのように、自由に空を飛ぶことを想像しませんか。そして、自動操縦で飛んでいる飛行機でパイロットはどんな仕事をしているのでしょう……。
 そこで、今回は皆さんのそんな疑問を解くために、自動操縦(オート・パイロット)についてご紹介します。
 オート・パイロットには、パイロットを支える3つの基本的な役割があります。1つ目は突風などの外乱に対して、飛行機の姿勢をより安定させる。2つ目はあらかじめ設定した方向に飛行し続けさせる。そして、3つ目は飛行機を上昇、下降、旋回させる機能です。これらのことは、パイロットが操縦している時、常に気を付けていることであり、自動操縦がそれらをサポートしています。
 飛行機の機種によって多少の違いはありますが、オート・パイロットの中心になっているのはフライト・コントロール・コンピュータ(FCC)と呼ばれるものです。このコンピュータは、飛行機が現在得ている情報、例えば飛行機の速度や高度、飛行している方向などをもとに、それぞれの機械に指令を出して、飛行機の姿勢を変えさせます。
 さて、このコンピュータは、飛行機1機に対して3台搭載されています。それぞれレフト(L)・センター(C)・ライト(R)と名前が付いていて、万が一、どれかに故障などのトラブルが起きても、飛行に影響をおよぼさないようになっています。
 オート・パイロットを使って飛行している場合、これらのうち、中央にある「C FCC」が飛行機をコントロールします。そして、残りの2台のコンピュータの計算結果が、それぞれ機長席と副操縦士席の正面にある計器に表示されます。
 もちろん、3台のコンピュータの計算結果は通常、一致しており、それぞれの数値を常に比較しています。もし1台のコンピュータが、他の2台の計算結果と違う数値を出した場合、そのコンピュータを切り離し、パイロットに教えるシステムとなっています。そして、パイロットは表示される情報から、飛行機をコントロールしている「C FCC」が正しく作動しているかどうかを、互いに点検しています。
 このように、飛行機の中では、操縦桿を握るパイロットを最新のコンピュータ・システムが支えているのです。
 現在、気象や空港設備などの条件がすべて整っていれば、離陸以外の飛行操作(上昇、水平飛行、着陸など)をオート・パイロットで行うことができるほど、コンピュータのサポートによる飛行技術は進んでいます。

 
イメージ
Illustration by Chikara Kunitomo


日本航空月刊誌『Agora』1998〜2003年掲載