JAPAN AIRLINES


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航空豆知識


文 日本航空 一等航空整備士
第39回
[Q] [空港内の車の役割は?]
[A]  飛行機が大勢のお客様を乗せて空港に到着。すると空港内は一気ににぎわい始めます。満席のジャンボジェット機(ボーイング747)ともなると、およそ500人のお客様が乗っていますし、そうしたお客様の手荷物や貨物なども一緒に到着するわけですから、ものすごいにぎわいになります。

 そこで活躍するのが多くの車です。今回は空港で活躍する車を紹介しましょう。

 飛行機が到着すると、一番最初に飛行機に近づくのは「パッセンジャーステップカー」と呼ばれる、トラックの荷台部分に階段がついたような形の車です。これは、お客様が飛行機に乗り降りするための車です。

 次に、飛行機から手荷物や貨物を下ろす車がたくさん集まってきます。胴体の下側にある貨物室から、大きなコンテナやパレットを積み下ろすのは「カーゴローダー」という車です。この車には貨物用のリフトが付いていて、コンテナを地上に下ろしていきます。同様に胴体後方の貨物室から、お客様の手荷物を下ろす車が「ベルトローダー」です。ゴム製の幅の広いベルトがグルグルと回っていて、そこにお客様の手荷物を一個ずつ乗せて、地上に下ろします。これら二種類の車で地上まで下ろした手荷物や貨物は、「コンテナトラック」で旅客ターミナルまで運ばれます。いくつものコンテナをつなげて走り回る姿は、まるでヘビのように見えます。

 続いて近づいてくるのは、飛行機に燃料を入れる「リヒューエリングカー」です。また、電源を供給する「グランドパワーユニット」や圧縮空気を送る「エアーサプライユニット」、トラックの荷物室の部分が飛行機の入り口まで高く持ち上がり、お客様に提供する食事や機内販売の品物を積み込む「ケータリングカー」、車高が低く平らな形をしている「給水車」や「汚水車」が同様に作業を行います。

 そして、出発準備が整うと、いよいよ飛行機を誘導路まで押し出す「トーイングトラクター」の登場です。飛行機の前輪に接続し、約400トンもある機体を動かします。

 このほかにも、トラックの台車部分が上昇して作業台となる、整備用の高所作業車「シザーカー」、「デアイシングカー」と呼ばれる飛行機から雪を取り除く除雪車など、空港では実にさまざまな車が活躍しています。

 皆さんが利用する飛行機は、空港に到着した瞬間から、これら多くの車がすばやく作業を行い、準備を整えて、再び大空へと羽ばたいていくのです。一機の飛行機に携わる、たくさんの種類の車たち。好奇心旺盛な子供に、空港内を走り回る変わった形の車について尋ねられたら、ぜひ「あの車はこんな仕事をする車だよ」と教えてあげてください。

 
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Illustration by Chikara Kunitomo

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日本航空月刊誌『Agora』1998〜2003年掲載