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航空豆知識


文 日本航空 一等航空整備士
第38回
[Q] [エアカーゴの仕組みは?]
[A]  カーゴ(CARGO)とは「積み荷」という意味ですが、航空業界では航空貨物輸送のことをさします。貨物のみを搭載する専用の輸送機のことをフレイター(FREIGHTER)といい、日本航空では「JAL CARGO」の愛称で皆さんに親しまれています。現在、日本航空が使用しているフレイターは十数機あり、世界と日本各地を結ぶ物流に一役かっているのです。

 さて、フレイターの機内はどうなっているのかというと、お客様の乗る飛行機と異なり、広い空洞状態になっています。たとえるなら大きなトンネルといった感じでとても広々としていて、荷物を出し入れする際には、飛行機の先端部分が大きく上に持ち上がります。この大きな搬入口から機内に荷物を搭載するわけですが、トラックの荷台に物を積み込む時と同じように、ドンドン積めばいいというわけではありません。なぜなら、飛行機の離着陸時には乗用車をはるかに超える加速や衝撃がありますし、もしも大きな揺れにあった時に重い荷物が飛行機の中で転げまわるようでは、荷物や機体に大きな損傷を与えかねないからです。

 そこでフレイターに搭載する荷物は、まずコンテナと呼ばれる箱に納められるか、パレットと呼ばれる台座に乗せられてしっかりと固定されます。その上で、機内の床に設けられた止め具(ロック)で、これらのコンテナやパレットが動かないように厳重に固定しているのです。ちなみに、機内の床には止め具のほかにローラーやモーターで動くタイヤが取り付けられていて、荷物がスムーズに機内を移動し、積み込みが容易にできる仕組みにもなっています。

 フレイターには路線や出発時間が決まっている定期便と、季節や需要に合わせて運航する臨時便やチャーター便があります。貨物としては、12月ごろ沖縄から輸送する切り花、大きな展示会のための絵画、F1レースのレーシングカーや競走馬(サラブレッド)などがあります。このうちレーシングカーや競走馬を輸送する時には、専用のコンテナやパレットが使用されています。

 お客様からお預かりした荷物は、こうした仕組みによって大切、かつ迅速に目的地までお届けしているのです。皆さんの近所にあるスーパーに並んでいる野菜や冷凍の魚の中にも、JAL CARGOで運ばれた品物があるかもしれませんね。

 
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日本航空月刊誌『Agora』1998〜2003年掲載