JAPAN AIRLINES


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航空豆知識


文 日本航空 一等航空整備士
第36回
[Q] [出発時刻はいつを指すのか?]
[A]  日本航空002便サンフランシスコ行き18時30分発――。旅の予定を考えながら時刻表を見るのは楽しいものです。

 ところで、この出発時刻18時30分。いつの時点の時間だとお思いですか? 飛行機が離陸する時刻でしょうか、それともトーイングカー(牽引車)から飛行機が離れた時刻でしょうか? それともボーディング・ブリッジ(搭乗通路)が飛行機から離れた時刻でしょうか?

 正解はこれらいずれでもなく、飛行機が動き始めた時刻のことを指します。ほとんどの場合、飛行機は旅客ターミナルに向かって正対して駐機場に止まっており、出発させるためにはトーイングカーによって飛行機を誘導路までバックさせる作業(プッシュバック)があります。この時、初めて機体が動くことになるので、その時刻を出発時刻としています。この時間から飛行機の旅が始まるのです。

 私たち整備士は、出発時刻の5分前になると、飛行機が地上停留中に取り付けられていた安全装置が取り外されていること、飛行機の後方に移動を妨げるものがないこと、すべてのドアが閉じられロックされていること等、飛行機のプッシュバックに支障のないことを確認してから、前脚のタイヤにかませている輪留め(ブロック)を取り外します。これで飛行機の出発準備は完了です。

 地上の整備士はコックピットの操縦士にパーキングブレーキをオフにするように伝え、ブレーキが外れたことを確認するとトーイングカーのオペレーターに移動開始の合図を送ります。トーイングカーの始動合図とともに、飛行機はゆっくりと動き始めます。

 この一連の作業のなかで前脚のタイヤにかませている輪留めを取り外す作業のことをブロックアウトといいます。

 ちなみに私たち航空会社では、国内線で15分、国際線では30分以上、出発時刻からの遅延が発生するとその遅延の理由を関係当局に報告することが義務づけられています。

 どうぞ、皆さまも定時運航のための「10分前ゲートイン」にご協力ください。

 
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日本航空月刊誌『Agora』1998〜2003年掲載