JAPAN AIRLINES


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航空豆知識


文 日本航空 一等航空整備士
第26回
[Q] [飛行機を彩るペイントの重さはどのくらいか?]
[A]  航空会社の顔ともいえる飛行機のデザイン。最近では、さまざまなデザインが施された飛行機が登場し、空港をより華やかにしています。日本航空でも、南国の鳥や花のデザインの「Reso'cha」が今年の4月からリニューアルして新しく飛び出しました。

 さて、飛行機の塗装は航空会社の顔以外にも、機体表面を保護するという役割もあります。飛行機は時速約900kmという高速で上空を飛行するので、紫外線や塵(ちり)、雨、雹(ひょう)などによって、常に過酷な状況にさらされています。また、気圧が下がる上空では機体が膨張してしまいますが、機内の気圧は低くならないように与圧しているので、機体の表面は飛行を繰り返すたびに伸縮してしまいます。ですから、飛行機の塗装には、気圧の変化に対応できるような柔軟性があり、しかも、見た目にも美しい光沢がある材料が求められます。

ペンギン  日本航空では、機体外板の詳細検査の実施に合わせ、5年に1度、再塗装(repaint)して機体の美観を保っています。人間にたとえれば「お化粧直し」といったところでしょうか? また、このペイントは、スプレーガンやローラーを使用して人の手で行っています。

 飛行機の塗装はアルミ合金の外板に施されるのでそのままでは塗装が付きにくく、プライマーと呼ばれる下地を塗ってから、表面に光沢ある塗料(トップコート)を塗る2段階の塗り方をします。これまた、お化粧の要領に似ていますよね。

 使用する塗料の量はボーイング747型機で約600リットル=ドラム缶3本分にもなり、これを0.1mmの厚さになるように均一に塗っていきます。一般的に塗料には揮発成分が含まれていますので、その2分の1から3分の1が最終的に外板に付着して、重さとしては約200kgぐらいになります。つまり、飛行機は、ペイントだけで常に大人3人分を乗せていることになりますね。

 ちなみに、機体に描かれているJALの旧ロゴマークは1990年にアメリカのランドー・アソシエイツ社によってデザインされました。「直立するJALの黒い文字」は誠実さ・堅実さを表し、「正方形の赤」は若々しさのエネルギーである「燃える情熱」、「グレーのバンド」は未来に向かって挑戦するJALの躍動感・スピード感を象徴しています。
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photo 塗り終えたばかりのペイント。
つやつやひた美しい光沢にご注目ください。ペイントが完全に乾くまで、1昼夜ほどかかります。

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日本航空月刊誌『Agora』1998〜2003年掲載