JAPAN AIRLINES

第19回
航空豆知識
Q, 飛行機の燃料タンクはどこにあるのか?
A, 鳥  読書の秋、スポーツの秋を迎えました。でも、なんといっても食べ物がおいしくなる食欲の秋ですよね。飛行機も燃料をもりもりと食べながら、世界中の空を飛んでいます。
 飛行機の燃料はJet A-1という名前で、原油から蒸留された油の中では灯油に分類されています。灯油というとストーブ等に使用されていますが、私たちが通常使用する灯油は水分が多く、気温マイナス50℃の上空1万mの世界では、エンジンに届く前に凍ってしまいます。そこで、灯油の中でも、より純度が高く、水分の少ないケロシンという種類の油が使われています。
 次に燃料の搭載場所ですが、皆さんは飛行機のどの部分に燃料が積まれているか、ご存じですか? 胴体の中央部分だと思う方も多いかもしれませんが、実は主翼の中に搭載されているのです。
 主翼の中に燃料を入れるのは、スペースの問題もありますが、主翼を重くするためでもあります。飛行機が離陸のための滑走を始めると、主翼には揚力が発生し、上の方に反り返えろうとします。ところが、そこに燃料を入れておけば、燃料の重みによって、主翼が反り返る力を和らげることができるからです。そのため、燃料は主翼の先端からではなく、胴体に近い根元の方から使われ、より長い時間、主翼の重みを維持できる仕組みになっています。
鶴  最後に燃料の搭載量ですが、いつでも「満タンでお願いします!」というわけにはいきません。なぜなら、たとえば国際線で使用するボーイング747-400型機の燃料タンクを満タンにすると23万リットル! ドラム缶で約1000本分にもなります。これは、飛行機そのものとほぼ同じ重量にあたりますから、燃料だけで飛行機と同じ重さです。
 ところが、人がおなか一杯になると走りづらいように、飛行機もおなかが一杯では非常に飛びづらく、燃料も余計にかかることになってしまいます。そこで、飛行機には滑走路を走るための量、目的地までの予想消費量、目的地に降りられない場合の上空待機用燃料もしくは代替空港へ行くための燃料など、必要な量だけを搭載しています。これは、天候、お客様の人数や貨物の量によっても変わってきます。
 たとえば、ある日の東京〜沖縄を飛んだ飛行機は、行きには8万リットルの燃料を積んでいましたが、帰りは6万リットルでした。到着地の天候なども加味したからですが、実際の燃料の使用量は、どちらも約3万リットルと変わりませんでした。ちなみに、東京〜沖縄間の距離は約1500km 。おおよそですが、飛行機が1リットルの燃料で飛べるのは、わずか50m。これで、たくさんの燃料を搭載しなければならないことがおわかりいただけると思います。しかし、積み込み過ぎには要注意、「腹八分」が大切です。
 

給油のための巨大なポンプがついた車。飛行機の燃料は、空港の地下の配管を通って給油される仕組みになっていて、このような車で汲み上げられ、主翼に注ぎ込まれます。地下に給油のための配管をもたないところでは、タンクローリー車がきて給油を行います。 photo
日本航空月刊誌『Agora』1998〜2003年掲載