JAPAN AIRLINES

第10回
航空豆知識
Q, 離発着時に機内の照明を暗くするのはなぜか?

 
A,  飛行機にはたくさんの照明が装備されています。機内の照明、機外を照らすライト、飛行機の存在を他の飛行機に知らせるためのライトなど、その種類は十数種。お客様に快適な空の旅を楽しんでいただくための客室内の照明だけでも、天井や壁、通路を照らすライト、乗務員への呼びかけ用のライト、読書灯などがあります。
Image1 ところで、みなさんは、どんなときに客室内の照明を暗くするか、気がついていましたか? ひとつは、長距離を飛ぶ路線で映画を上映したり、お客様がお休みになるとき、もうひとつは、飛行機が夜間に離陸したり着陸するときです。映画の上映中やお客様がお休みになるときには、照明を暗くするだけでなく、窓に取り付けられているサンバイザーをすべて下ろし、外からの光も遮断します。ところが、夜間の離発着時には、サンバイザーをすべて上げて、外の景色が見えるようにしています。なぜ、そんなことをするのでしょうか?
 人間の目には、眼球に入る光の量を調節するための瞳孔がついています。瞳孔の仕組みは、カメラの「絞り」に似ていて、光の量の多いところでは瞳の黒い部分が小さくなり、少ないところでは大きくなります。明るいところから、突然暗いところへ移動すると、しばらくの間、何も見えないことがあります。たとえば、昼間ドライブをしていて、急にトンネルに入ったときなどに、初めのうちは周囲が見えにくいという経験をした方は多いと思います。そんなときでも、しばらくすると瞳孔が広がってきて、周囲が見えるようになります。
Image2 実は、飛行機が夜間の離発着時に照明を暗くするのも、この人間の目の仕組みに関係があります。万が一、お客様が緊急脱出をしなくてはならないような場合、急に暗い機外に出ると、周囲の暗さに慣れるまでに時間のかかる可能性があります。しかし、初めから暗くしておくことで、目が早く慣れることができます。
 日本航空では、夜間の離着陸の際、お客様の目が少しでも早く暗さに慣れるよう配慮しています。少々不便を感じるかと思いますが、みなさまのご協力をお願いいたします。
日本航空月刊誌『Agora』1998〜2003年掲載