JAPAN AIRLINES

第9回
航空豆知識
Q, 飛行機のコックピットはどうなっているのか?<後編>

 
A,  現在、日本航空で就航している最新鋭の飛行機の名前をご存じですか? それは、ボーイング777(トリプルセブン)です。そんな最新鋭の飛行機のコックピットを覗いてみましょう。
 前回は、ボーイング747のコックピットについて説明しましたが、50種類以上の計器が並ぶボーイング747とは違い、ボーイング777では「グラスコックピット」というコックピットが採用されています。このグラスコックピットの特徴は、シンプルなデザインです。
 写真のように、グラスコックピットでは、操縦席の前のパネルに5つの液晶ディスプレイが並び、真ん中のディスプレイの下にもう1つ液晶ディスプレイが上向きに付いています。つまり、複数の計器が、合計で6つの液晶ディスプレイに集約されていて、パイロットは一目で、飛行に必要なすべての情報を得ることができるようになっているのです。
Image1 さて、パイロットの頭上には、約100個のスイッチが各システムごとに並んでいます。ディスプレイの周辺に約30個、その上部にあるグレアシールドパネルと呼ばれるパネルに約70個、また、2つの操縦席の間にも、数え切れないほどのスイッチやレバーが付いています。どうしてパイロットは、こんなにたくさんのスイッチを間違えずにセットできるのでしょうか?
 実は、スイッチを正しくセットするための秘密があるのです。それはチェックリストです。これまで飛行機のパイロットは、飛行前の準備の段階や、エンジンに点火するとき、離陸前、離陸後など、重要なタイミングごとに、紙に書かれたチェックリストを取り出し、それを読み上げて、スイッチが正しくセットされているかをチェックしていました。
 ところが、ボーイング777では、グレアシールドパネルにチェックリストのスイッチがあって、そのスイッチを押すことによって、自動的にディスプレイにチェックリストを表示させることができるようになっています。これを「エレクトロニック・チェックリスト」といいます。
 このエレクトロニック・チェックリストは、ただ単にチェックリストを表示するだけでなく、各スイッチが正しい位置にあれば、自動的にチェックマークを付けてくれます。したがって、パイロットがいちいちスイッチを見て確認しなくても、正しくセットされているかどうかが一目でわかるのです。また、故障が発生したときには、メッセージだけでなく、故障に対する処置がチェックリストとして表示され、リストに従って操作することで、パイロットは処置を完了させることができます。いうなれば、飛行機のコンピュータの中に、もう1人のパイロットがいて、2人のパイロットの手助けをしているのです。
 ディスプレイにシンプルに計器類を集約したグラスコックピットや、このエレクトロニック・チェックリストによって、パイロットの煩雑な作業が軽減され、より操縦に専念できるようになりました。
 このように、安全なフライトのために、飛行機は日々進歩しています。この次にはどのようなシステムが登場するか、とても楽しみです。


Phot
最新鋭の飛行機ボーイング777の「グラスコックピット」。複数の計器が6つのディスプレイに集約されています。
  時刻表
ディスプレイに表示された「エレクトロニック・チェックリスト」。
写真提供:JALフォトサービス
日本航空月刊誌『Agora』1998〜2003年掲載