JAPAN AIRLINES

第3回
航空豆知識
Q, 飛行機ができるまで何年かかるか? Image1

 
A,  この秋、日本航空国内線に世界最大の飛行機、ボーイング777-300型機が登場する予定です。このボーイング777型機は、現在「ジャンボ」の名で親しまれているボーイング747型機より機体が約3m長く、その全長は73.8mにもなります。今回はこのように新しい飛行機がお目見えするまでのお話です。
 飛行機を製造するときは、まず航空機メーカーが、これからはどんな仕様の飛行機が売れるのかという市場調査を綿密に行います。仕様というのはお客様が何人ぐらい乗れて、どのくらい遠くまで飛べるか、最高速度はどのくらいで、運航するのにどれくらいの費用がかかるか、などです。
 航空機メーカーは、市場調査に基づいて、新型機の開発計画を立て、開発の決定を下します。同時に、各航空会社へ向けて、新型機の開発を発表します。そして、航空会社からの注文数が、飛行機をつくっても採算が取れる機数となったときに、初めて製造を開始するのです。例えばボーイング777型機の場合、1機の値段は約150億円。ところが開発の費用だけでも6000億円から1兆2000億円にものぼるといわれていますから、開発費の採算を取るだけでも、多くの受注が必要となります。つまり、航空機メーカーにとって、最初の市場調査で判断を誤ることは、会社の命取りにもなりかねないのです。
Image2 さて、新型機の開発が決定すると、サプライヤーと呼ばれる担当工場は、開発計画の設計に基づいて、飛行機の各部分の製造を始めます。ボーイング777型機のサプライヤーは、アメリカ、日本をはじめイギリス、イタリア、韓国、オーストラリア、シンガポールなど数ヵ国にわたります。なかでも日本は、胴体の約7割を製造し、重要な役目を果たしています。最後に、各国で出来上がった飛行機の各部分は、航空機メーカーの工場に集められ、組み立てられます。
 飛行機の組み立て作業が終了すると、いよいよ試験段階です。飛行機の試験といっても、実際に飛行を行うだけではありません。最低速度での離陸や、離陸の中断、マイナス50度Cにもなる寒冷地での作動試験、繰り返し荷重による疲労試験など、さまざまな試験が行われます。ボーイング777型機の場合、航空会社に手渡されるまでに、約1年をかけ、5機の飛行機を使っての試験が繰り返されました。
 このように、新しい飛行機が、実際にお客様を乗せて空を飛ぶまでには、市場調査から開発、設計、製造、試験まで、約10年もの歳月がかかっているのです。しかもボーイング777型機を1機製造するには、約1年かかります。現在、この飛行機を製造したアメリカ・シアトルのボーイング社では、1ヵ月あたり4機のボーイング777が誕生しています。
Image3 これから、皆さんがもっと頻繁に海外へ出かけるようになると、さらに大きな飛行機が必要になってきます。総2階建て1000人乗りという飛行機が登場する日も、そう遠くないかもしれませんね。


Image4アメリカ・シアトルにあるボーイング社の工場では、ジャンボの愛称で呼ばれる“ボーイング747”や、“ボーイング777”が製造されています。
(写真提供:JALフォトサービス)
日本航空月刊誌『Agora』1998〜2003年掲載