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Captain 55 |
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文=宮田正行(日本航空機長)
Text by Motomu Kawamura
イラスト=國友主税
Illustration by Chikara Kunitomo |
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パイロットの仕事というと、何を思い浮かべますか?
もちろん旅客機の操縦が主な仕事ですが、他にも後輩パイロットの指導や訓練、研修など、さまざまな仕事をしています。中でも、最近、私が携わる機会の多いのが「航空教室」での講演です。
普段、お客様と接することの少ない我々にとって、パイロットの役割や旅客機の魅力などを皆さんに興味を持って聞いていただくのは難しく、毎回、良い勉強をさせてもらっています。どんな方々に講演するかによって話す内容が変わるため、テーマをいくつも用意しておく必要がありますし、講演依頼が来るたびに工夫を凝らし、パソコンを駆使して自分なりに講演資料を作っています。
先日、障害のある子供たちとそのご家族向けに国内外の福祉機器を紹介・体験するイベント「ミプロキッズフェア」が開催され、日本航空も出展して、さまざまなサービスを紹介しました。その際、会場に設けられたブースで1時間ほど講演の機会をいただきました。
イベントに来場されているご家族の中には、「障害があるので、旅客機に乗ることは難しい」と思い込まれている方が多いらしく、ほとんどの子供たちは旅客機についてあまり知りませんでした。そこで、講演ではまず旅客機に興味を持ってもらおうと、「なぜ空を飛べるのか」「パイロットはどんな仕事をするのか」などを、クイズ形式で出題しました。子供たちも大はしゃぎで、とても楽しい時間を過ごしました。
講演後には、興味を持たれたご家族が日本航空のブースを訪れ、サービスについていろいろと質問をされていました。
今回のイベントを通じて感じたのは、車椅子でも利用できるトイレを機内に設けたり、チャイルドシートの貸出しなど、さまざまなサービスを用意してご利用をお待ちしていても、肝心のお客様の方で最初から旅客機に乗るのは難しいと、諦めてしまっていることが多いという点です。どんなサービスを行うかといった工夫をし、それらを充実させることも大切ですが、それらのサービスがいかに利用しやすいものなのかを紹介するという努力がとても重要であることを学ばせていただきました。
皆さんとコックピットをつなぐ架け橋として少しでも役立てればと願い、頭をひねりながら航空教室のための講演資料を作成しているこの頃です。
※ミプロ(MIPRO)= 財団法人 対日貿易投資交流促進協会 |
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| 日本航空月刊誌『Agora』2003年より連載 |
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