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Captain 49 |
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文=中村貴幸(日本航空機長)
Text by Takayuki Nakamura
イラスト=國友主税
Illustration by Chikara Kunitomo |
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春、4月。年度も改まり、新しいスタートを切った方も大勢いらっしゃると思います。私もこの度、新たにエッセイの執筆に加わることになりました。皆様、宜しくお願いいたします。
さて、最初となる今回は、私が運航を担当しています旅客機MD-90について、少しお話ししてみたいと思います。
日本航空では国際線や国内線の定期旅客便、貨物便、チャーター便などで、さまざまな種類の機材を使用しています。MDはそうした機材の中の一つで、現在、MD-81、MD-87、MD-90の3機材を保有し、国内の中近距離路線で運航を行っています。
この機材のユニークな点は、メーカーの吸収・合併により、同じシリーズであっても製造された時代によって名称が異なることです。初めはDC-9として登場し、その後、名前がMDへ。最後に製造された時はボーイング717と、モデルチェンジするごとに呼び方が変わりました。旅客機に詳しい方なら、よくご存じだと思います。
でも、「自分はあまり機材に詳しくないから、違いが分からない」とおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。そんな方でもMDは大丈夫。他の機材との見分け方はジェットエンジンの場所です。多くの機材では主翼にジェットエンジンが取り付けられているのに対し、MDは旅客機のお尻に2つ付いているのが特徴です。
最も機体が大きく座席数の多いMD-90は、羽田―宮崎、羽田―山口宇部、大阪発着、札幌発着などの路線で運航されており、「そういわれれば乗ったことがある」と、思い出される方もいらっしゃるでしょう。
ジェットエンジンがお尻に付いていることで特徴とされるのは、前の方の座席に座ると、とても静かだという点です。MDシリーズの中でも、特にMD-90には低燃費・低騒音に優れたジェットエンジンが使われており、前の座席に搭乗されたお客様の中には、「旅客機なのに、まるで電気自動車にでも乗っているように静かだ」といった感想を持つ方もいらっしゃるようです。
そのため、こうした特徴をよくご存じのお客様の中には、MD-90を愛するファンも結構いらっしゃると聞いています。
1995年に導入されて以来、現在も16機が日本の空を飛び続けているMD-90。皆様に愛される旅客機として、これからも運航していきます。 |
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| 日本航空月刊誌『Agora』2003年より連載 |
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