JAL | JAPAN AIRLINES

コックピット日記
Captain 34
文=高桑久仁昭(日本航空機長)
Text by Kuniaki Takakuwa
イラスト=國友主税
Illustration by Chikara Kunitomo
アンカレジ経由ヨーロッパ
 新年おめでとうございます。皆さんは新しい年をどのように迎えられましたか? 一年中、旅客機を操縦している私たち運航乗務員は、国際線の機内や宿泊先のホテルで新年を迎えることも多々ありますが、皆さんの中にも海外で新年を迎えた方がいらっしゃるのではないかと思います。
 さて、今回は皆さんがご搭乗になっている旅客機の便名についてお話ししたいと思います。便名が3桁と4桁ではどう違うのか、奇数と偶数とでは何が違うのか、ご存じでしょうか。
 旅客機の便名は、各航空会社のルールに基づいて付けられており、現在、日本航空では国内線に4桁の便名(2004年4月から)、国際線に1桁から4桁の便名を使用しています。
 国内線では1000番から4000番台の便名が使われますが、まず羽田空港を離発着する便に1000番台の便名が割り振られています。新幹線や特急列車の場合、東京駅を中心に「上り」は偶数、「下り」は奇数と号数が区別されますが、同様に旅客機でも羽田空港を中心に、羽田発は奇数の便名、羽田着は偶数の便名というルールがあります。その上で、例えば伊丹空港を離発着する便には2000番台、福岡空港を離発着する便には3000番台が割り振られ、それぞれ空港発の便が奇数、空港着の便が偶数となっています。
 それなら、国際線は日本の空港を中心にして、発便に奇数と着便に偶数の便名が割り振られているんだろうと推測されるかもしれません。しかし、答えは違います。こちらは空港の場所にかかわらず、西行きのフライトに奇数の便名、東行きのフライトに偶数の便名が割り振られています。例えば、成田発ロンドン行きは401便と奇数なのに対して、成田発ニューヨーク行きは006便と偶数です。
 かつて、日本航空ではサンフランシスコ、ニューヨークなどを経由するロンドン行きのルートと、バンコク、カイロなどを経由するロンドン行きのルートを運航していた時期があり、世界を一周することができました。巨大な丸い地球を飛び回る旅客機で、どこかを基点に「上り」「下り」といった考え方をするのは、スケールが小さい話なのかもしれません。
 時刻表で楽しめる便名のウンチク。皆さんもご自身で、旅客機の “トリビア”を見つけてみてはいかがでしょうか?
images
日本航空月刊誌『Agora』2003年より連載
 

Copyright © Japan Airlines. All rights reserved.