 |
 |
 |

Captain 27 |
 |
文=工藤英樹(日本航空機長)
Text by Hideki kudo
イラスト=國友主税
Illustration by Chikara Kunitomo |
 |
 |
 |
|
 |
 |
 |
 |
いよいよサッカーW杯・アジア最終予選が後半戦に入り、盛り上がってきました。皆さんの中には、日本代表チームを応援するために、アウェーの試合に出掛けようといった熱いサポーターもいらっしゃるのではないでしょうか。
サッカーに限らず、最近は世界各地で活躍する日本人選手が増えてきて、スポーツ観戦を目的に海外旅行を楽しまれる方も増えてきているようです。私自身も、サッカーとアイスホッケーの経験者なので、海外滞在中にチャンスがあればそれらの試合を観に行きますし、他にも野球やテニスなどを観戦することがあります。海外で観るスポーツは、会場の雰囲気やファンの応援の仕方が日本とは違っていて、それぞれひと味違った楽しみがあるものです。
さて、当たり前のことですが、スポーツでは世界中どの国でも統一のルールで試合が行われます。また、使われる単位も統一されています。例えば、サッカーでペナルティーキック(PK)を行う場合は、ゴールから12ヤードの地点からボールを蹴ると決まっていますし、フリーキックの時、相手チームの選手はボールから10ヤード離れなくてはいけません。
同様に、旅客機の世界にも統一の単位があります。高度に使われるのは「フィート」、速度や風速は「ノット」、距離は「ノーティカルマイル(海里)」といった具合です。コックピットにあるさまざまな計器は、これらの単位で表示されますし、管制官とのやりとりでもこれらの単位が使われます。
それなのに、もし飛んでいる途中で、使用する単位が変わったらどうなるでしょう。「そんなの頭が混乱して、すぐには計算できないよ」と思う方が、ほとんどではないでしょうか。しかし、こうしたことが実際にあります。旅客機では基本的に前述した単位を使うのですが、ロシアや中国の領空では、高度は「メートル」、距離は「キロメートル」、風速は「メートル・パー・セック(秒速)」を使う決まりになっています。そのため、計器類はメートルを併せて表示できるようになっています。この他、単位以外にも、国によって速度制限などに様々な違いがあります。いわゆる“ローカル・ルール”がスポーツと同様にあるのです。
日本代表チームには、ぜひ最終予選を突破してもらいたいところ。2006年の本大会では、単位の違う上空を飛び越えて、ぜひ自分の手で日本代表チームをドイツまでお送りしたいものです。 |
 |
 |
|
 |
 |
| 日本航空月刊誌『Agora』2003年より連載 |
|