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Captain 22 |
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Text by Kuniaki Takakuwa
イラスト=國友主税
Illustration by Chikara Kunitomo |
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寒さが一段と厳しくなり、街にともる灯りが恋しくなる季節となりましたが、皆さんは良い年を迎えられたでしょうか。
冬のこの時期、日本列島は太平洋側を中心に空気が乾燥し、空の澄み渡る日が多くなります。操縦席から眺める景色も一味違ったものになり、特に夜景の素晴らしさは格別です。羽田空港へ着陸する際に見える東京のイルミネーションや、伊丹空港へアプローチする時の奈良や大阪の街灯りは、安全な着陸へ向け気を引き締める私たちの目にも鮮やかに映ります。
こんな話をすると、「特等席で夜景を見られるんだから、いいよなぁ」と思われるかもしれませんが、パイロットにとって闇夜を照らす“灯り”はとても重要です。街灯りに限らず、乗務においては常に“灯り”の手助けを受けているといっても過言ではありません。
その一例が、月明かりです。パイロットにとって、雲の状況を知ることは安全な運航をする上でとても大切ですが、月には満ち欠けがあり、夜空の明るさも大きく影響されます。最も明るく、雲の状況を確認しやすい満月に対し、新月の時はやはり視野が狭くなります。そのため、フライト前、特に徹夜のフライトに際して月齢をチェックすることは、パイロットとして不可欠です。
また、普段はとても恐ろしい雷も、月明かりの届かない暗闇の中を運航している場合、遠くで光る稲妻が周辺の雲を照らし出してくれる“灯り”となる場合があります。この“灯り”は、とても役立ちます。
数ある“灯り”の中で最も欠かせないのは、滑走路や誘導路を示す赤、青、緑、白などの“灯り”です。皆さんも、機内に映し出されるスクリーンで離着陸直前の滑走路の様子をご覧になる機会があると思いますが、それぞれの“灯り”の色には重要な意味があります。
例えば、誘導路と滑走路の違い。誘導路は両端が青色、中央が緑色の灯りで示されるのに対し、滑走路は白色と黄色、赤色を組み合わせた灯りで示されています。
さらに、着陸のため空港へアプローチする場合、羽田空港では途中の経路に設置された閃光灯を頼りに、東京湾の上空を旋回していくので、こうした“灯り”も私たちにとって、とても重要です。
普段、日常にあふれていて見過ごすことが多い“灯り”。皆さんが今のぞいている窓には、どんな“灯り”が映っていますか? |
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| 日本航空月刊誌『Agora』2003年より連載 |
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