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Captain 19 |
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Text by Kuniaki Takakuwa
イラスト=國友主税
Illustration by Chikara Kunitomo |
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「そんなに近くでテレビを見てはいけません」「暗い所で本を読んだら、目が悪くなるでしょう」
子供の頃、親からこんな風に怒られたり、ついさっき自分の子供や孫を叱ったばかりという方もいらっしゃいませんか。
近頃は小さいうちからメガネをかけている子供も多いようで、テレビゲームの影響やマンガの読み過ぎなどを指摘する声もあるようですが、私たち運航乗務員にとっても、眼は他人事ではありません。常日頃から、人一倍気をつかわなければならない問題です。
車の運転免許では、更新時に簡単な視力の検査が行われますが、運航乗務員の場合、視力を含めた厳しい健康診断(航空身体検査)が、年2回行われています。
この検査は、通常皆さんが受診する健康診断よりも、検査内容が多岐にわたっていて、しかも運航乗務員に必要とされる専門的な項目が多数含まれています。特に、眼に関する項目では、視力のほかに、視野の広さやその正常性などが調べられます。そして、すべての項目が一定以上の数値をクリアしないと、運航乗務員としてお客様を乗せてフライトすることができないようになっています。
また、運航乗務員がクリアしなくてはいけない検査は、これだけにとどまりません。年3〜4回、シミュレーター(模擬飛行装置)を使って、緊急事態時の操縦や対処方法のチェックがあります。また年1回、通常業務の中で、審査官が同乗しての審査もあります。さらには、救難訓練の講習も年1回受けます。これら厳しい審査にすべて合格し続けてこそ、お客様を乗せて安全に運航を行うことができるわけで、その基本として、目も含めた心身の健康を保つことはとても大切なのです。
そうした意識から、私たちは日常生活の中でも、暗い所で本を読まないようにし、テレビを長時間見ない習慣が自然と身についています。また、パソコンの画面も液晶のものを意図的に選んだりしています。
かつては裸眼で目が良くないと、運航乗務員にはなれませんでしたが、現在は矯正視力でも良くなり、採用時においては1.0以上あれば大丈夫です。しかしながら、視力が良いことに越したことはありません。将来パイロットへの夢を抱いている子供たちには、そっとアドバイスしてあげてください。 |
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| 日本航空月刊誌『Agora』2003年より連載 |
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