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コックピット日記

「コックピット日記」は4人の機長が毎月交替で、パイロットに関する話や日常の乗務で出合ったこと、ちょっとした役立つ情報などを、読者の皆さまにお届けするエッセイです。

Captain106 酸素マスク文=三輪邦雄(日本航空機長)

 映画やドキュメント番組を見ると、戦闘機のパイロットが顔をすっぽりと覆うような酸素マスクをしているシーンが出てきます。その一方で、旅客機のパイロットが酸素マスクをしている場面は、あまり想像できないのではないでしょうか。
 この両者の違いは何かというと、機内の気圧を高くして、酸素濃度が低くならないようにする「与圧(よあつ)」と呼ばれる機能が、主に関係しています。 
 戦闘機は、旅客機よりも飛行速度が速く、より高い高度でも飛行できますが、コックピットの窓ガラスを大きくする必要などから、機内の気圧を高くする「与圧」は低く設定されており、パイロットは呼吸のために酸素マスクを装着して操縦します。
 これに対し、旅客機では快適性が重視され、高度3万3000フィート(約1万メートル)の上空を飛行している時でも、与圧によって、機内は標高2400メートルにいるのと同じぐらいの気圧(約0.75気圧)に保たれています。そのため、搭乗されているお客さまもパイロットも、通常は酸素マスクをする必要がありません。
 ところが、日常のフライトでも、パイロットが酸素マスクをする決まりになっているケースが2つあることは、ご存じないと思います。
 まず1つは、高度4万1000フィート(約1万2500メートル)より上空を飛行する場合です。外部の気圧がとても低いため、万が一に備え、機長もしくは副操縦士のどちらかが酸素マスクを着用しなくてはいけません。
 もう1つは、高度2万5000フィート(約7600メートル)以上を飛行中に、パイロットのどちらかがトイレなどで離席する場合です。
 国内線や近中距離の国際線では、2人のパイロットで運航しているため、必要に応じて、酸素マスクを装着します。これに対し、長距離の国際線の場合、機長2人、副操縦士1人のパイロット3人体制で運航しています。そのため、離席の際には、控えのパイロットに代わってもらえるので、酸素マスクを装着する機会は減ります。

航空機の写真  現在、ボーイング777のコックピットに装備されている酸素マスクは、顔全体を覆うタイプのもので、約3秒で装着することができます。また、装着すると酸素が出ると同時に、顔にしっかりと密着するので安定感があります。
 酸素の薄い大空を快適に飛ぶための「与圧」と、安全のための「酸素マスク」。先人たちの技術と知恵が詰まっています。

日本航空 月刊誌『AGORA』より(2003年から連載中)

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