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コックピット日記

「コックピット日記」は4人の機長が毎月交替で、パイロットに関する話や日常の乗務で出合ったこと、ちょっとした役立つ情報などを、読者の皆さまにお届けするエッセイです。

Captain102 旅客機の重心文=三輪邦雄(日本航空機長)

 すべてのお客さまが搭乗し、ドアが閉まって、出発準備が整った機内。周囲を見渡すと、空席がいくつかある。そんな時、「席を移動してもいいかなぁ」などと、思ったことはありませんか。
「客室乗務員に尋ねて、席を移ったことがある」「席を移動したけど、戻るようにいわれている人を見たことがある」など、さまざまな経験をお持ちの方がいらっしゃると思います。
 機内で座席を移る──、実はこれ、旅客機の重心に関わってくることをご存じでしょうか。
 旅客機では安全な運航ができるよう、前後左右の重さのバランスを取り、機体の重心を定められた位置に収めなければなりません。
機種によって異なりますが、全長73.9メートル、全幅64.8メートルのボーイング777-300ERの場合、重心の位置はセンターより少し後ろ、その許容範囲は前後約2メートルと定められています。
 搭乗されるお客さま、お預けになる荷物、貨物室に入れて運ぶ貨物、燃料など、大型旅客機では最大350トンを超える重量になります。この中で、ほぼ確定しているのは貨物と燃料の重量です。ご搭乗されるお客さまの人数、座る場所、荷物の重量などは、チェックインが済むまで分かりません。
 出発の15分前、チェックインが締め切られると、コンピューターによって、その便の重量が計算されます。そして、多くの場合、貨物の積む場所を調整することで、重心位置が規定の許容範囲に収まるようにしています(ちなみに、貨物の移動だけで、重心位置を調整しきれない時は、「バラスト」と呼ばれる鉛の重りを使って、調整を行います)。
 先輩パイロットから聞いた話ですが、昔、小型旅客機をマニュアル(手動操作)で操縦していた際、巡航中に客室乗務員がカートを動かし、お客さまに飲み物を提供しているのが、機体の微妙な重心の変化から分かったそうです。

 さすがに、現在の旅客機は機体の大きさが異なりますし、コンピューターによってバランスの微調整が行われているので、そうした変化を感じることはありませんが、昔の熟練したパイロットの感覚はすごいと思います。
 さて、座席の移動ですが──、重心位置を考慮して、機種ごとに、時には便ごとに、移動してもいい場所や範囲、人数などが決められています。ですので、席を移られる際は、客室乗務員にご確認いただきますよう、安全運航へのご協力をお願いいたします。

日本航空 月刊誌『AGORA』より(2003年から連載中)

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