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Captain 2 |  |
文=指方浩之 (日本航空機長)
Text by Hiroyuki Sashikata
イラスト=國友主税
Illustration by Chikara Kunitomo |
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ゴールデンウイーク真っ盛り。この時期は連休を利用して、海外や国内に旅行に出掛ける人が多くなり、旅客機はたくさんのお客様で混雑いたします。そして、旅客機を安全に、かつ時間通りのスケジュールで運航することが求められるので、いつも以上に気を引き締めて、乗務を行っています。
私が担当するボーイング767の場合、国内線と中・近距離の国際線が中心となります。特に国内線においては、到着から次の出発まで通常40分という短時間で、お客様に乗り降りしていただき、荷物の積み降ろしを行い、機内を清掃して準備を整えなくてはなりません。連休ともなると、270名のお客様と荷物でいっぱいとなり、慌ただしさに拍車がかかります。
さて、連休の時期に、機長として私が少し気を付けていることがあります。それは機内アナウンスの内容です。
通常時に比べて、旅行に出掛けるお客様が多く搭乗する機内では、旅行気分も手伝ってちょっと華やいだ雰囲気となります。便によっては、お子様連れのファミリーが多くなることもあります。コックピットからも皆さまが搭乗される様子が見えますので、そんな時には離陸後のアナウンスの中に、到着地の天気や情報、旅客機が通過する地名などを盛り込んだり、飛行中に「ただ今、左手に富士山がきれいに見えています」などと、窓から眺められる景色を紹介して、お客様に旅客機の旅をより一層楽しんでいただくように心掛けています。また、快適なフライトとなるように、出発前のブリーフィングで気流の乱れが少なく、あまり揺れないような飛行高度やルートを選定するようにします。
これに対して、東京―大阪など、シーズンにかかわらずビジネスで利用するお客様が多い便の場合は、時間を大事にする方が多いので、できるだけ早く到着するように気をつかっています。また、睡眠やお仕事の邪魔にならないように、アナウンスを省略することもあります。同様に、旅行帰りのお客様が疲れてお休みになられているような場合も、アナウンスを控えさせていただくことがあります。
お客様によって、旅客機にご搭乗される理由はさまざま。空の旅が少しでも快適になるよう、キャビン・アテンダントと連絡を取り合って機内の様子をうかがうなど、アナウンスにも気を使っています。 |
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| 日本航空月刊誌『Agora』2003年より連載 |
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