- ◆出発地:東京
- ◆出発日:12月31日(木)と2010年1月5日(火)〜3月30日(月)の毎日
(ただし、1月9日・10日、3月20日・21日の出発は除く) - ◆最少催行人員:1名
- ◆食事:1朝食付
- ◆添乗員:同行いたしません。
ひたすら飛んで楽しむ1泊2日の空散歩
“1泊2日で日本一周”。
聞いただけで忙しい旅になりそうなことは想像に難くなく、「旅=リラックス」と考える向きにはそもそもの発想として思いつかないかもしれない。しかし実際にやってみると、実は悪くない。いや、むしろ時間がないからこそ体験する一つひとつのことが濃密になり、記憶に残っている。集中して旅を楽しむ、という新しい感覚を提案したい。
| 本ツアーはイカロス出版刊「航空旅行ハンドブック・冬号」の掲載記事をそのまま旬感旅行でツアー化したものです。 |
写真=小久保陽一
文=イカロス出版「航空旅行ハンドブック」編集部
この旅の面白さの一つはプランニングにあり
今回の旅行は東京を起点に、1泊2日で札幌、福岡、那覇、松山、大阪と巡るというものだ。北は北海道から南は沖縄まで行くので、日本一周といっても過言ではないだろう。ただしこの旅行、すでにご存じの通り時間がない。各都市における滞在時間を算出してみると、もっとも短い伊丹空港でわずかに約1時間半、宿泊地の那覇を除き最長となる福岡でも5時間ちょっとしかない。この瞬間「何もできないのでは?」と思ったが、いろいろ調べていくと“意外とできる”ことがわかってきた。たとえば、伊丹空港はこの旅、最後の寄港地。到着はもう夕方だから、あの素晴らしい環境の展望デッキで空港の美しい夜景を眺めながら“ゆっくりと1時間かけて”旅の余韻に浸るのもいいと思ったし、福岡は空港と市内が近いので観光ができなくもない。また観光するにあたり、短い滞在時間だからこそ、いかに効率よく廻るかをプランニングしていくことになるが、この作業が思いのほか楽しい。自分がやりたいことをピックアップして、それらを満喫するための方法を考えるのはパズルのようで、想定していた交通機関の時間が合わないときなどは、それこそ一喜一憂のプランニングだが、すべてが見事にぴたりとはまったときは快感だ。
またプランニングをしていくと滞在時間がはっきりしてくるので、その場所でさらに何をしたいのか、という絞り込みもできてくる。ゆったり時間のある旅では、逆に時間があるからこそあれもこれもと欲張って、結果的に漠然と過ごしてしまうこともままあるが、今回は旅の前から集中すべきポイントが明確になるので、意識的にも「やってやるぞ!」という目標のようなものが出てくる。何事もそうだが、目標があると楽しくなってくる。

(イメージ)
早朝の羽田空港から出発。朝食は人気の空弁で
さて、出発。朝6時30分、羽田空港に到着した。これから7時25分発のJAL507便に乗って最初の目的地、札幌を目指す。ただし、今日の最終目的地は沖縄で、新千歳空港から福岡を経由して那覇に至るフライトプランである。チェックインカウンターで今日一日分の航空券をグランドスタッフのお姉さんに手渡すと、「お客さまは札幌…、いや福岡、あっ、すみません、那覇までのご搭乗ですね?」と面食らっていた。那覇へ行くのに新千歳向かうのは、今回のような旅行でもない限りそうあることではないだろう。
さて、無事チェックインも完了したので、JAL507便に搭乗しよう。機材はボーイング747-400Dだ。2009年は7月にクラシックジャンボが完全退役して、日本に残る747はこのダッシュ400のみになってしまったが、ボーイング777のような高効率機が勢力を拡大している中で、ダッシュ400も安泰とは言い切れなくなってきている。今回の旅では2日間で6フライト、最大のジャンボから、小型プロペラ機のサーブ340までさまざまな機種に搭乗できるが、それぞれの乗り心地を比べてみるのも楽しい。月並みな言い方だが、ジェットとプロペラではスピードと高度がぜんぜん違うし、ジェット機でも大型機と小型機で受ける印象は違う。今回の旅は、数時間おきに飛行機に乗ることになるので、そんな違いを体感するにはうってつけである。
JAL507便は定刻にブロックアウトすると、ランウェイ34Rから離陸した。東京は雨でコンディションは良くなかったが、特に揺れることもなくまもなく水平飛行に入った。
ベルトサインが消えるとドリンクサービスが始まる。それに合わせて羽田空港で購入した空弁を広げた。朝食である。メニューは「羽田発黒いなり」と「万かつサンド」。黒いなりは備長炭入りの油揚げを使っていて、見た目が真っ黒。中身の具はそれぞれで違うが、絶妙な酢飯が食欲を刺激し、具のきんぴらごぼうやヒジキの食感もいい。万かつサンドは、今や羽田発空弁の定番ともいえる一品。相変わらずのジューシーさで美味だ。この間、僕らが食事をすることに気がついたCAさんがおしぼりを差し入れてくれた。ドリンクのおかわりまで勧めてくれて3万9000フィート上空で味わう朝食を満喫する。
東京→札幌線は、天気が良ければ左手には磐梯山、十和田湖、右手なら蔵王山などが見えるのだが、今回は雲が多くて見えずじまい。下界が見えたのはディセンドを始めて北海道に入ってからだった。眼下に苫小牧の街が見え、北海道の雄大な大地が広がる。今日の着陸は北側からの進入となるランウェイ19のようだ。機体は左手に新千歳空港を見やると大きく左旋回、まもなくランウェイ19Lにランディングした。

いよいよ日本一周のスタート!新千歳方面の出発は羽田空港第1ターミナルの北ウイング。初日の3レグ分をチェックインする

新千歳までお世話になるのはボーイング747-400D

ジャンボの機内で朝食の空弁。「万かつサンド」は肉厚でジューシー、黒豆入りいなりずしの「羽田発黒いなり」は備長炭入り油揚げが入っている。酢飯の加減が絶妙
スタンプラリーで遊び、人気のホエー豚丼を食す
JAL507便は定刻よりわずかに早まり、8時56分、新千歳空港に到着した。時間的な余裕が生まれる早着は、忙しい旅ではありがたい。次に搭乗するのは11時35分発の福岡行き。約2時間半の時間があるが、これではさすがに札幌市内にはいけないので、空港内で楽しむことにする。
そこでまず目をつけていたのはスタンプラリー。新千歳空港は館内10か所にさまざまな航空機模型を展示していて、それらを巡るスタンプラリーをやっているのだ。計10個あるスタンプのうち、7個以上を集めると、4階にある飛行機関連グッズの専門店「フライヤーズ」で記念品がもらえる。まさしく“2時間半”という滞在時間にぴったりである。
1階到着口を出ると、さっそく1926年に製作されたドイツの巨大飛行艇ドルニエDo‐Xと、チャールズ・リンドバーグが世界初の大西洋単独無着陸飛行を果たしたときに使った愛機であるスピリット・オブ・セントルイス号の模型を発見した。その後も、巨大飛行艇ヒューズHK‐1と、当時世界最小の飛行機といわれたスティッツ・スカイベビーを見つけて順調にスタンプを増やし、10時には、見事台紙は10個のスタンプでいっぱいになった。
ゴールのフライヤーズに向かうと、これまたヒコーキファンにはたまらないお店。店内は飛行機関連の雑誌やグッズが埋め尽くし、中には機内などでしか手に入らないエア・ドゥグッズ、航空自衛隊千歳基地をベースにする政府専用機グッズなどもあった。店内を見ているだけでも余裕で次の出発までの時間を過ごせてしまいそうなところだったが、せっかくの旅なので“グルメ”にもこだわりたいと考えていた。そこで30分ほどでフライヤーズをあとにし、あの生キャラメルブームに火をつけた花畑牧場が運営するカフェ&レストランへ。ここでは生キャラメルに続き人気となっている“ホエー豚丼”が目当てだ。10時半の開店とほぼ同時に入ったので、待つことなく店内へ。ランプエリアや滑走路を見渡すことができるカウンター席に腰を下ろした。先ほど機内で朝食の空弁を食べたばかりだが、噛みごたえのあるホエー豚はおいしく、デザートは別腹のごとく一気に完食してしまった。

新千歳空港を例えるなら、北海道のおいしいものをギュッと詰め込んだテーマパーク。レストラン選びは本当に迷う

スタンプがそろったら4階にある飛行機関連グッズ専門店「フライヤーズ」へ。飛行機好きなら食指が動きそうな商品もたくさん

3階の「花畑牧場 カフェ&ホエー豚亭」は、生キャラメルブームに火をつけた花畑牧場が運営。レストランの人気は何と言っても店名にもなっている「ホエー豚丼」で、ちょっと甘めのたれが噛みごたえのあるホエー豚にマッチし美味
MD‐90に乗り福岡へ移動。機内で味わう北海道の締め
物欲も食欲も満たされた新千歳での滞在を終え、次に目指すは福岡だ。新千歳発福岡行き、JAL3510便のMD‐90に搭乗する。ジャンボからの乗り換えのせいか、機内に入ると余計に狭さを実感するが、これこそが乗り比べの楽しみでもある。機内だけでなくフライト中の印象もMD‐90はジャンボとは全く違った味付けで、機体が小さい分スピード感があって、空を飛んでいるという感覚が強い。また、アサインされたシートは窓側の「22A」で、位置としては真ん中より前の席だったが、エンジン音が気にならないくらい静かだった。もちろん、エンジンに近いキャビン後方は音が大きくなるが、前方であればむしろジャンボ機よりも静かだと思う。機内が静かで、かつ朝も早かったせいか、新千歳を離陸後、上空の暖かな日差しもあり眠ってしまった。
1時間ほど眠っただろうか。目を覚ますとちょうど佐渡島の上空を通過したくらいだった。新千歳→福岡はこの旅最長の2時間25分のフライト。まだ残り1時間ある。新千歳ではスタンプラリーをやり、フライヤーズを物色して、話題の豚丼を食べて満足だったのだが、北海道といえばおいしい海産物も食べたいと思っていた。そこで新千歳を出発前にまたしても人気の空弁を購入していた。買ったのはズワイガニと天然鮭の身がぎっしりと敷きつめられた石狩鮨と、いくらと鮭のジャンボおにぎり。味もさることながらボリュームもあって、最初から計画していた満喫プランとはいえ、この日、すでに3食目となる食事にお腹がパンパンに膨れ上がったのは言うまでもない。

北の大地から一気に南下、福岡へ。搭乗機はMD-90だ

見た目はMD-81と大きく変わらないMD-90だが、機内にはモニター設備があり、新しい世代の飛行機であることを実感

出発前に確認した天気予報は日本全域にわたって雨マーク(涙)。新千歳ではどうにかお天道様が顔を出したものの、福岡までの航路上にはべったりと雲が張り付き予報通りの天気を暗示する

新千歳で食べ損ねた北海道の海産物は空弁で食す。カニと鮭の身がたっぷりと敷きつめらた人気の「石狩鮨」と鮭とイクラが入ったジャンボおにぎり。羽田を出発してからすでに3食目でも、ともに文句なしの美味
福岡市内周遊バスの一日乗車券を駆使する
まもなく福岡に到着だ。機窓には雲が一面に広がり、これからの天気を暗示していたのだが、ディセンドを開始すると雨粒が窓を濡らし始めた。天気予報通りとはいえ、せっかく5時間もある滞在時間が雨だと少し残念な気持ちになる。しかしそんなことを言っても始まらないので、福岡空港に到着後、時間を惜しむようにJR博多駅に隣接する福岡交通センターを目指した。ここから福岡市内の主要スポットを一周してくれるシティループバスの「ぐりーん」に乗車するのである。これなら福岡のいいとこだけを効率的に見て回れる。また「ぐりーん」が乗り放題になる700円の一日乗車券を買うとさらにお得度がアップ。街歩きに便利なガイドブックがプレゼントされるほか、乗車券を提示することで、様々な施設で割引や特典が受けられるのだ。福岡ではこの一日乗車券を駆使して楽しむことにした。

悪天のため、定刻より15分遅延で到着した福岡空港。雨にも負けず、これから約5時間の市内観光に出発!

福岡市内観光の足に選んだのは、博多駅を起点に福岡市内の主要地点を一周してくれるシティループバス「ぐりーん」。1日乗車券は大人1枚700円で、福岡都心部の路線バス乗り放題になる。ガイドブックや各種割引券も付いてかなりお得なチケット
15時、「ぐりーん」は福岡交通センターを出発。相変わらず雨はやむ気配を見せないが、車窓には福岡の街並みがゆっくりと流れていく。「ぐりーん」は市内14か所の主要スポットに停車するので、ふと見えた景色に惹かれて途中下車、という旅も可能だが、今回は時間がないので福岡タワー南口まで直行する。福岡タワーは、福岡のシンボルともいえるものの一つで、海浜タワーとしては日本一の高さ234メートルを誇る。一日乗車券を提示して、2割引きになった福岡タワーの展望料金(640円)を支払うと、一気に123メートルの高さに位置する展望室へ。あいにくの天気ではあったが、福岡の街並みを一望した。ちなみに福岡タワーの周辺には、国宝の金印を展示している福岡市博物館や、プロ野球福岡ソフトバンクホークスの本拠地であるヤフードームも近くにあり、これらに的を絞って訪れてみるのもいいだろう。5時間あればかなり楽しめそうだ。
ちなみに今回の福岡での事前のプランは、福岡タワーに上ったあとは大濠公園に移動して、ドイツ生まれの自転車タクシー「ベロタクシー」に乗って周辺を散策するつもりでいた。しかしこの雨では楽しめそうもないので代替案を実行することにした。それは「天神地下街」巡りである。天神地下街は福岡最大の繁華街、天神の渡辺通り直下を南北に走る全長600メートルにも及ぶ巨大地下街で「てんちか」の愛称で親しまれる。ここなら雨を気にせずに済むし、天神にある主要な施設やデパートなどとも直結しているので移動にも便利だ。

福岡タワー南口で「ぐりーん」を下車。高さ234メートルで海浜タワーでは日本一の福岡タワーに上る。展望室は123メートルの高さにあって福岡の街並みが一望できるが、この日は雨のためいまいち…残念
「ぐりーん」に再び乗車して天神コア前で下車するとさっそく地下街へ。すると鉄とレンガと石を基調に、19世紀ヨーロッパの街並みをイメージした空間が広がった。今日は雨のせいか人通りも多く、活気がある。一日乗車券購入時に渡されたガイドブックを見ると、近くに老舗のラーメン屋があるようだ。博多グルメの代表格であるとんこつラーメンも食べたいと考えていたので、ラーメン屋の方向に足を向ける。また一日乗車券を提示すると替え玉が一つサービスされるというのもうれしい。実際にはこれまでに食べすぎていて替え玉を頼むことはなかったが、本当にこの一日乗車券はお得だ。

全長約600mに及ぶ天神地下街。最新ファッションや雑貨、カフェなどが集まる。雨でも街歩きが楽しめるのは福岡の魅力

福岡といえばやっぱりとんこつラーメン!コシのいい細麺と、豚骨が粉々になるまで煮込んだ濃厚なスープが体を温める
初日の最終目的地那覇へ。沖縄料理で夜が更ける
ラーメンで再び胃袋が満たされると、福岡のトレンディスポットともいえる「キャナルシティ博多」に向かうことにした。ここは名前の通り建物内にキャナル(運河)が流れていて、さまざまなショップのほか、レストラン、映画館、劇場がある大型複合施設。ここも屋内なので、雨でも濡れずに済む。
本来なら天神から歩いても、食後の運動にはちょうど良いくらいの距離なのだが、雨なので「ぐりーん」の一日乗車券で移動することにした。しかしここでは「ぐりーん」に乗車しない。「ぐりーん」の経路よりも短い距離で移動できる一般の路線バスに乗る。一日乗車券は「ぐりーん」のみならず、市内中心部の路線バスなら無料で乗ることができるのだ。結局、この一日乗車券はキャナルシティから空港へ戻る地下鉄の乗り換え駅となる博多駅までも利用して、わずか5時間のあいだに使い倒した感じになった。
19時35分、すでに外は真っ暗だが、これから今日最後のフライト、JTA929便で那覇に飛ぶ。さすがに遊び疲れてきているのか、機内では再び眠りについてしまった。1時間25分のフライトもあっという間に終了する。
那覇空港に到着後、今宵の宿にチェックインすると、微妙に福岡で食べたラーメンも消化して本場沖縄料理を求めて夜の街へ。これも当初のプランニング通りではあるのだが、行く店までは決めていなかった。初日の疲れ具合もあるし、2日目のことも考えると、実際に那覇に到着した時点で行けるかどうかは分からなかったからである。しかし結果として食べに出たのは大正解だった。ホテル近くのふらりと立ち寄った沖縄料理店だったが、イカスミソーメンチャンプルーはもちもちとしておいしく、泡盛をちびりちびりやりながら、口の中で弾ける海ブドウは最高だった。沖縄の方言でアカマチ(ハマダイ/和名・以下同)、アーラミーバイ(ヤイトハタ)、マクブ(シロクラベラ)など6種の魚を刺身で食べたが、これもまたうまい。泡盛と沖縄の肴、こうして初日の夜は更けていった。

市内から福岡空港に戻るとすでに真っ暗。展望デッキからはカクテルライトに照らされた飛行機が浮かび上がる

初日、最後のフライトは737-400。JA8998はJEXの機体だが、運航はJTAが行う。ちょっと疲れが見え始めてきた時間帯に、CAさんの笑顔は癒される

イカスミソーメンチャンプルー

海ブドウ

うちなーのイユー(沖縄の方言で魚の意)盛り合わせ
2日目は絶好のフライト日和。見事な桜島を望み温泉に浸かる
2日目、ホテルで朝食をすますと、10時の松山行きに乗るべく9時過ぎにチェックアウトしてゆいレールで那覇空港に向かった。ゆいレールは沖縄初の鉄道で、空港行きとは逆方向に乗ると首里城見学にも便利なのだが、さすがに昨晩の泡盛もあり、今回はあきらめることにした。もし早起きすることができれば行けない距離ではない。
それにしても今日は昨日と打って変わって天気がいい。那覇はちょっと雲が多いが、松山では晴れの予報になっている。松山では、道後温泉に行って、松山城を見学するという、定番中の定番ともいえる松山観光をする予定だがこれなら期待できそうだ。
JTA002便、松山行きは定刻通りに出発した。天気がいいので機窓から景色もいい。地上もよく見えたが、002便とは逆方向、沖縄に向かうJTAのボーイング737‐400や、成田に向かうチャイナ エアラインのボーイング747‐400、ANAのボーイング777も見えた。1回のフライトでエア・トゥ・エアの飛行機を3機も肉眼で確認するのは初めての経験である。今日は出だしから幸先がいい。というわけで、機窓にかじりついていると「ただいま、右手に桜島をご覧いただけます」と機内アナウンスが入った。左側の席に座っていたので、急いで空いていた右側の席に移動。すると眼下には見事な噴煙を上げる桜島があった。昨日のフライトは、空弁を食べるとき以外は寝ていたような記憶だが、今日は食べる暇もないくらい忙しい。
日本一細長い半島である佐田岬半島が見えてきた。まもなく松山である。ついさっきまで豆粒のように見えていた瀬戸内海を行く船も徐々に大きくなり、定刻11時50分、松山空港へ到着した。さぁ、ここからまた濃密な市内観光の始まりである。フレンドリーな対応でよくしてくれた002便のCAさんに別れを告げると、急いでバス乗り場へ向かい、一路道後温泉を目指す。空港リムジンバスで道後温泉までは約40分だ。
ちなみに今回の松山滞在時間は4時間10分。道後温泉には12時50分に到着したので、この時点ですでに残りは3時間10分しかないが、日本最古の温泉に入らないわけにはいかない。というか、むしろ忙しい旅だからこそ肉体的にリラックスできるイベントは旅にメリハリが出すためにも大切だ。国の重要文化財にも指定されている道後温泉本館の、深くてちょっと熱い湯船につかれば、これぞ極楽である。

フライトも中盤、島袋CAから「左手に桜島が見えます」とアナウンス。噴煙を上げる桜島を上空から確認できた。これぞ飛行機旅行の楽しみである

ドリンクサービスを行う安里CA(左)と仲摩CA(右)。500円でビールがおつまみ付きで買えるが、JTAは沖縄の航空会社だけにオリオンビールが用意される

松山空港に到着。初日とは打って変わって見事な晴れ空が広がった
松山でもお得なチケット発見。天気が良すぎるという誤算も
松山城へ行くにあたり、ここでも福岡の「ぐりーん」のようなお得になるチケットを購入した。「松山城らくトクセット券」(1000円)である。これは夏目漱石の小説「坊っちゃん」出てくる軽便鉄道を再現した坊っちゃん列車の乗車券と、松山城までのローウェイリフト往復券、さらに松山城天主の観覧券がセットになったチケットで、普通に回るよりも300円安い。
道後温泉駅からSLにけん引されるレトロな雰囲気たっぷりの坊っちゃん列車に揺られ、大街道で下車。ここからちょっと歩いてロープウェーに乗り換え松山城へ。天気は時間を追うごとによくなり、松山城に着くころには雲ひとつない青空に恵まれた。天守からの眺めも素晴らしく、昨日の福岡タワーとは真逆の頂上ビューである。
しかし一方で別の問題が発生した。綿密なプランニングでは、松山城の後は路面電車に揺られて松山市駅を目指し、そこからまたリムジンバスに乗って空港に戻るはずだったのだが、あまりの天気の良さに松山城見学が長引いてしまい、予定していたバスに間に合わなくなってしまったのだ。そこで急きょタクシーに変更し空港へ急行。天気が良すぎるのはプランニングにはなかった想定外。初めて、この忙しい旅を恨めしいと思った瞬間であった。

坊っちゃん列車は、夏目漱石の小説「坊っちゃん」の中で登場する伊予鉄道の軽便鉄道を再現したもの

松山定番の観光地、道後温泉。忙しい1泊2日の旅の中でちょっと熱めの湯につかれば、溜まった疲労も一気に回復!この旅、最高のアクセントになった

天守からの眺め。松山の街並みはもちろん、瀬戸内海まで見渡すことができた
さて、残すは2フライト。松山から伊丹まではこの旅初めてのプロペラ機、サーブ340に搭乗する。サーブ340はわずか36人乗りだが、16時発ということもあって小さなキャビンはスーツ姿のビジネスマンで満席。ドアクローズすると「ブーン」といういかにもプロペラ機らしい心地よいエンジン音を響かせながら、松山空港のランウェイ32を離陸した。すでに太陽も西に傾き、高度1万5000フィート上空を時速600kmで飛ばすサーブ340もオレンジ色に染められる。

今回の旅での最小機種、サーブ340B。オープンスポットからの搭乗となるが、シップサイドまでは蛇腹のような通路が用意されていた

夕日を浴びてのフライト。揺れもなく順調なフライト。ターボプロップ独特のエンジン音が心地いい。巡航高度は1万5000フィート
旅の充実感をさらに高めた伊丹の美しい空港シーン
太陽が西の空に消えかかる頃、眼下には大阪の街が見えてきた。まもなくこの旅最後の寄港地、伊丹に到着である。サーブ340は順調に飛行を続け、16時47分、伊丹空港ランウェイ32Rに着陸した。笑顔が素敵な大和CAに見送られて、夕方のラッシュが始まっている伊丹空港のオープンスポット27番に降り立つ。まだ羽田まで、ボーイング777のフライトが残っているが、すでに気分としては旅が終わろうとしている寂しさのようなものがこみ上げてきて、せつなくなった。正直なところこの旅は始まる前までは、1泊2日で日本一周とは忙しすぎてあまり乗り気はしなかったのだが、きっとこのせつなさは、この2日間が充実していたからに他ならないだろう。全国でも有数の好環境を誇る展望デッキからは眺める景色は、その思いをさらに深めさせる。
2日間で乗った飛行機の数、6回。ヒコーキファンにはこれだけも十分に楽しめるかもしれないが、1泊2日でも観光やグルメなど、かなりのことができるのは新たな発見であった。

飛行機旅を締めくくるにふさわしい伊丹空港展望デッキ「ラ・ソーラ」からの眺め。慌ただしくも濃密だった2日間を振り返るにふさわしい“まったり感”が心地よい

東海道を飛ぶ伊丹→羽田間では、眼下に街の明かりがこうこうと輝く
| この記事は全国主要書店にて12月17日発売の「航空旅行ハンドブック・'09-'10」(イカロス出版・¥1,700税込)に収録されています。 本ツアーは出発日の前日より起算し10日前までご予約可能な個人型ツアーです。奮ってご参加ください。 |
12月31日出発にて本ツアーに参加されたお客さまがご自身のブログにて旅を詳細レポートされていますので、どうぞご参考ください。
「くぅねるのヒコーキ旅日記」 http://blogs.yahoo.co.jp/kuu_neru_plane
沖縄県・那覇市 / GRGホテル那覇東町

外観
- 部屋:
- 洋室1名に1室
空港から車で約7分、モノレール旭橋駅から徒歩約2分、国際通りまで徒歩約5分と観光・ビジネスに抜群の好立地。広々とした客室には機能的で高品質な設備が充実。ホスピタリティーのあるサービスで、お客さまをお迎え致します。
沖縄県・那覇市 / ホテルルートイン那覇泉崎

外観
- 部屋:
- 洋室1名に1室
那覇市中心部に位置し、国際通りも近く、モノレール旭橋駅も徒歩3分と観光の拠点として大変便利です。最上階には無料大浴場(活性石人口温泉浴場)があり、旅の疲れを十分に癒していただけます。
沖縄県・那覇市 / ホテルソルヴィータプレミア旭橋(1名利用の場合は追加代金あり)

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- 部屋:
- 洋室1・2名に1室
2008年4月にモノレール旭橋駅前にオープン。豪華なエントランス・ロビー、太陽をイメージした上質な癒し空間があるシティホテル。
- 追加代金(1名利用時のみ)+5,000円
※2名1室利用時は追加代金不要です。
